第2話 擬人化親子関係を脱皮したい
皆既日食をあなたと見た。
「はい?」ってテレビドラマの「相棒」の杉下右京も真っ青になるほどの疑問形であなたがはぐらかす私の好きだけど、一緒にこの瞬間を迎えられて幸せだって思った。
そもそも、残業をするはめになり、いちおう女の子だから送るようにってあなたが言われただけのことだよってあなたは苦笑いするんだ。
夏目漱石のアイ・ラブ・ユーの和訳である「月が(とっても)綺麗ですね」で、結ばれた両親の元に…更によくある確率で満月の夜に生まれた私、月子が恋した相手は親と年の変わらない独身男性でした。
彼女いない歴=年齢という妖精さんといわれる俗語がある独身男性に恋した私は、どんなアクションをおこしてもはぐらかされるばかり。
ただただ、今まで女性と付き合った自信がないだけで、手も出してこないあなたに恋愛初心者の私もどうしたらいいかわからないだけ。
とりあえず今は二人並んで外灯の明かりが浮かべた影みたいな二人が、手をつないでいるように見えるだけでよしと思うことにするんだ。
押して駄目なら引いてみろっていう程、あなたとの中の進展は簡単じゃないけど、いつかあなたの人生まるごと包んでみたい。
月明かりの優しい黄色の光りのように、あなたをつつむ光になりたい。
夏目漱石に捧げる告白 紗里菜 @sarina03
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます