第4話かなとファーストフレンド

時は流れ、高校の入学式が終わった翌日。

「あみちゃん。昼食、一緒にどう?」

前の席に座る女子が誘ってきた。

「いいけど、知名瀬さん。八重原さんのグループと食べないの?」

「まあまあ。あみちゃんは気にしなーい、どこにする?」

ぱたぱたと手を振り、場所を聞いてくる。

「中庭はどうかな?」

「うん。そうしよっ、中庭で。それでさ──」

俺の高校生活最初に、というか始まったばかりではあるが、初めての友達が彼女、知名瀬千夏だ。

クラスメートの誰にでも話しかけて、笑顔を振り撒いている彼女。

入学式を終え、教室に戻ってきて、短い休憩の間に話しかけてくれて、友達になったという感じだ。笑っているが、の奥にがあるのを感じ、引っ掛かった。

俺は、彼女と友達になれてよかった、と思う。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

賑やかで楽しい深津羽見荘はあきない 闇野ゆかい @kouyann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ