元日所感

高麗楼*鶏林書笈

第1話

 窓の外には日が昇る。今年も麗らかな日差しと共に一年が始まる。

通りから賑やかな声が聞こえてきたので、家から出てみると色とりどりの晴れ着を身に付けた子供たちが板跳びや双六、投壺に興じていた。

 何の愁いもなく遊ぶ子たちを見ながら、ふと考える。

 世の中は春に始まり冬に終わる。これは万古変わらず、過去も未来もずっと続いて行くだろう。

 我が人生も歳月とともに古(いにしえ)人になる。その間、精進し道を誤ることはなかったと思う。聖人も凡人も本質は同じだから学びさえすれば得るものはある。ただ助長と忘却が病になって邪魔をする。これを克服すれば聖人に近付くことが出来るだろう。

 華甲を前にしての所感である。



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元日所感 高麗楼*鶏林書笈 @keirin_syokyu

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