過去に浸るだけ

hukuro-

幸せに気付いてほしかった過去の俺

ネット恋愛の彼女のことが今も忘れられない。

でも、今思えばどれだけ信用されていたかわからない。

なぜなら、彼女の名前と某アイドルグループのメンバーの名前が一緒であった。

それを知ったとき、悲しかった。当たり前だよなぁ。

でも、その時はすでに彼女が彼女ではなかった。

リアルで好きな人が出来たからという理由で別れてしまった。

とても後悔している。今の気持ちを率直に言うとあいつのほうが、あの時に好きだった人よりも良かった。過去の俺に会うことが出来たら言ってやりたい。

「絶対に別れるな」って。当時の俺は、まだ自分のスマホを持っていなかったし、

自由に親から借りていたパソコンをいじれる立場じゃなかった。

だから、彼女と話せる機会が少なかった。でも、話せるときはとても心が躍っていたと思う。しかし、リアルに気になる人が出来てしまうとほとんど何も感じなくなってしまった。何度も言おう。とても後悔している。

あの環境では、通話も自由に出来ず彼女も俺も満足していなかったと思う。

けれど、彼女はこう言った。「(本名)と話せるだけで、楽しいよ!」

それを聞いた時の俺は、とてもうれしかっただろう。今の俺だって嬉しい。


彼女のことを毎日のように思っていたのに、ネット恋愛は現実には勝てないのだろうか。会うことができない、実際に目に入れられない。

それが引き金となり、リアルの女性に目移りしてしまうことが出てきてしまった。

俺は、何度か女好きだなと言われるほど男性よりも、女性と話していることが多かった。本当に恨んでいる。自分が幸福の中にいるのにも関わらず、その幸福に気付かなかった俺のことを。

この女性によって、俺らの関係は崩れていった。本当に悔しい。

「しょうがないよね、ネットだもん、(本名)が笑える方に行ってくれた方がうれしいもん」この言葉に当時の俺は何も返すことなく、返信をしなかった。


数日間連絡を取らず、少し経った頃。

俺らが会ったSNSを消すと言った。通話とかをしていた方は残すらしいから

別にいいかなと思っていた。

「このアプリ消すから、ばいばいだね」

「今までありがとうございました。」

最後に女の子らしい顔文字を付けて俺に送られてきていた。

そのメッセージが来た時の俺は、部活をしていて家に帰ってきてパソコンを立ち上げメッセージを見たときには、頭の中が真っ白になった。

多分当時の俺は、リアルの方の好きな人と彼女との天秤が揺れ動いていたのだと思う。俺が返信したときには、時すでに遅し。彼女はアカウントを消していた。

後悔でしかない。


さらに、今気づいたのは彼女が俺に関する夢を見ていたそうだ。

でも、その夢は水曜日が何度も繰り返されるもので俺とどこかに行くらしいのだが

必ず最後に、俺が死んでしまうという。夢占いにおいて、大切な人が死んでしまうことには、離れていってしまうかもしれないという不安の現れだそうだ。

本当に、なんで俺はそんな子を離してしまったんだろうか。


もし、俺が「リアルの方で好きな人が出来た」とか少しでも彼女に繋がりたいから家の外見を聞き出して、家を特定することに没頭してせっかく、俺が自由にパソコンをいじれる深夜まで、起きていてくれたのにほとんど会話をしなく俺に気を遣うような感じで「まだ探してるのかな…」って言ってきた時にすぐにやめていれば

きっと今でも話していたかもしれないのに。


何度も言うが、なんで俺は当時の彼女の思いに気づいてあげることができなかったのだろうと後悔している。彼女は、英語が苦手だった。それに比べ英語が好きだった俺は、時々英語で会話をしようと言ってお互いに英語で話し合っていた。

彼女の紡ぐ英語は本当に下手で、間違えだらけだった。そんなある日彼女が

「Let's get married !!」って言ってきた。当時の俺はその意味が理解できず翻訳ソフトにかけた。笑みがこぼれた。この意味は、「結婚しよう」だった。今思えば涙がこぼれてくる。俺はこんな大切なコメントを送ってくれた相手に、リアルに好きな人が出来たと言ったのかと、過去の俺に腹が立ってくる。また、俺らは言い合っていた。「赤い糸出繋がっているから、別れることはないね!」って。毎日寝る前には「おやすみ」と言ったし、書くのは恥ずかしいが彼女から始めたキスの真似もやっていた。


これを書くために、彼女との会話内容を見返している。

常に思う。なんで彼女のような人を手放してしまったのだろうって。

多分彼女は新しいアカウントを作ってまた某SNSに戻ってきている。

でも、彼女から何も言われていない。ただの勘違いかもしれないが、もしそれが

彼女なら、と思いながらいると彼女の名前が目に入ったときに胸がきゅっと締め付けられる。

もし、可能ならまた彼女と一緒に居たい。

今度は、一人にしない。当時の俺よりも彼女とつながりやすくなった。

ほとんど出来なかった通話も積極的にするし、会いにも行ってやる。

大好きだった。ありがとう。そしてさようなら。

このエピソードで、彼女を想うことは終わりにしたいと思う。


これからは、今の自分が幸せであると常に思って生きたい。

彼女と会いたかった。marriedしたかった。楽しい時間をありがとう。

そして、こんな俺でごめんなさい。もし、俺のことが視界に入っているのであれば

話しかけてください。今度は絶対に、目移りせず君だけを見たいと思う。


<追記>

今、あの子は好きな人がいるらしい。俺は次の恋愛に進んでもいいのだろうか。

俺が100悪くてあの子のことを悲しませて、苦しませて

そんな俺が次の恋愛に進んでいいのかな、次の恋愛でもまた、

相手を傷つけちゃうんじゃないだろうか。なんて考えてると次の恋愛に進めない。

そろそろクリスマス。でも、別に良いかなって。友達には、あの子を俺が恋愛から逃げる理由にしてるって言われたけど、まさしくその通り過ぎて何も言えない。



元カノよ、ありがとう。俺には次の彼女が出来た。

今までありがとう。君の未来に幸多からんことを。

6月6日。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

過去に浸るだけ hukuro- @kakeru7482

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る