第2話

どこに見失ってしまったのかを知る術は、もはやありません。しかしながら、僅かに思い当たる可能性の一つとして、焼け死んでしまわれたことが挙げられます。どういうことかといいますと、いつものようにリビングをひらひらと舞って遊んでいる時に、目の前に現れた大きな洞窟に迷い込みます。そこに、太古より根をはるカビや、埃などの存在を認め、奇妙な恋人たちと燥いでいるうちに、暗闇の奥へと姿をくらまします。そこで一体、どんな日々を過ごしたのかを誰も想像することはできません。足元の高さを天使の気分で浮かぶことなど忘れ、闇に光を灯した者がおりましょう。暗闇のなか、原始のカビや埃とともに炎に包まれましたか。蝶になることなど諦めて、僅か三日間の困窮した生活をあとにするのでした。路頭に迷う弱者の話をしている。


なんと靴箱の隅で飲んだくれていました。路頭に迷う弱者の話でもしていたのですか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真宵蛾の冬 ohne Warum @mir_ewig

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る