二千年前の王墓を専門に研究する考古学教授と、その研究室を冷やかしに訪れ、助手の立場に収まったロリババア。 当時を生き、王墓の謎の答えを知るロリババアが、遺跡の発掘を通して、彼女も知らない空白の時代を埋めてゆく物語。 自身の正体を隠しながらも上位者ムーブを隠さないロリババアと、ロリババアを単なる意欲ある学生と信じて丁寧な講釈を垂れる教授。 力と知識を持つだけのポンコツと思わせて、年を重ねた老獪さも見せるロリババアは、大変良いロリババアです。 5万文字強、一息で読める良中編。
斬新なコンセプトとストーリーのテンポの良さで一気読みしてしまいました。読んだ後で作者名を見て、あああの饗庭淵さんかと得心しました。
歴史の生き証人であるロリババアことミヤビ。彼女がおもちゃにしたのは考古学者ヴァイスマン教授。本作はヴァイスマンのちぐはぐな歴史の解釈を聞きつつ、ミヤビが心中ダメ出しする形で物語が展開されていく。そのやり取りがどこか楽しく、いつの間にか物語にのめり込んでしまう。まったく、ロリババアは最高だぜ!