映画一本分の幸せ

謎めいた復讐者の主人公。一途に彼を慕う愛らしい弟子の少女。勇者に奪われたかつての恋人。物語に絡んでくる滅びたはずの魔王。清々しいまでに憎らしい悪役に徹する勇者王。
役者が揃ってます。しかし、人形のように役を演じるのではありません。主人公は、弟子の少女との交流を通して変わっていきます。それが強さだけではなく弱さにもなるのに、人の心を取り戻していきます。
始まりから終わりまでの間で主人公たちが変わっていき、救われるべき人たちが救われて、「面白かった!」と思いながら読み終えることのできる作品です。
2時間半くらいの面白い映画を一本観たような感じです。
オススメです!
(個人的に推すのは元恋人のアメリアさん! いい味出してます! 嫌われる役になりかねないところを、よく考えられた抑制された描写で書き出すのはお見事。)