ようこそドラゴン動物園へ! 今日から学ぶドラゴンの飼い方
- ★★★ Excellent!!!
安定した職を求めて地方の市役所の公務員になった青年・河合悠斗。しかし彼が配属されたのは、ドラゴンを飼育する動物園ドラゴンパークだった。知識ゼロからドラゴンの飼育員になってしまった主人公が、現代に生きるドラゴンの生態を学んでいく物語が好奇心をかきたてます。
空を飛ぶワイバーン種、芋虫のようなワーム種、水辺を好むナッカー種、お宝収集癖のあるピスヘント種など、種類ごとに姿形や生態はさまざま。
初日からウンコをぶつけられたり、乾草の山を運んで筋肉痛になったり、清掃作業でウンコまみれになったりと、生き物相手の仕事は苦労が多い。しかし世話を焼くほど愛着も湧いてくる。
ドラゴンにも感情や性格がある。相手が誰であろうといい加減な気持ちで接していれば、それ相応の扱いを受けて当然だ。ドラゴンに教えられて自分の仕事に真剣に向き合って社会人として成長していく姿が微笑ましい。
「なぜこんなことをしているのか」。この春、河合のような悩みを持つ新社会人も多かろう。しかし仕事のやり甲斐や働く意味は、他人から与えられるものではなく、自分で見つけるものだ。
それにどんな職場でも、このドラゴンパークよりはマシだから……。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)