綿津見

 彼岸へ歩もうとした

 此岸へ返ってきた


 人が食事にありついた

 魚は食糧をいただいた


 なきははに泣きいさちる者が居た

 なきははの面影を背負う者が居た


 かの都が崩壊した

 かの都には足音が戻った



 罹災者は目を瞑った


【――けれど】


 皆も今だけは、目を瞑っている

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

3.11 一般家庭の備忘録 常陸乃ひかる @consan123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ