懐かしくて、愛しい虎との再会。


山月記。
誰もが一度は教科書で読むのではないでしょうか。
短いお話の中に、李徴という男の深い深い思考に誰もが共感できる作品です。
虎になっていく自分への葛藤、姿形が変わってしまっても変わらない詩への思い。家族に対しての詫びる心。
中島敦著の名作です。

この憧月記は、山月記をベースに、李徴の視点ではなく、親友である袁慘の視点で描かれます。
袁慘は親友だったからこそ、虎になっていく李徴のことを思い、共に悲しみます。
ありさんの情感豊かな文章に、心打たれるお話でした。