月とすっぽん
夜に光る月について
彼女は光っているのだから
眩しいのは当たり前なはず
太陽に照らされているのだし
夜空との色具合で
眩しいのは当たり前
今日はとても眩しかった
彼女は悠然と空に居るが
隣隣の星も青く
添えられている
こういう晴れの日は
少しぐらい心穏やかになる
月が出ているなあ
眩しいなあ、綺麗だなあ
そんなことを思うと
生きている気がする
何かに思いを馳せるのを
生きている、のかもしれない
夜道は暗いが街灯があって
時代の進歩というか
想像だけの昔
提灯を持って夜を歩く人々
もっと暗い松明を持つ
何もなく月明かりだけで生きる
いつもいつも月がある
ない日は外出を控えたりする人が
いるかもしれない
私は彼女に取り憑かれている
何故なら彼女を出せば題材になると
思っているし
綺麗だと言っておけばいいと思っている
だけれど本当に綺麗だから困る
時代時代の人々が綺麗さを雄弁に語るから
私は彼女をどう語ればいいかわからない
綺麗としか言えなくて
本当に申し訳ない
でも彼女を思い見上げると
綺麗だと思う
今日も綺麗だと
光っていると
素敵だな、と思う
月とすっぽんと言えど
すっぽんは月に恋するのだ
今日も上手いこと言えず綺麗だなと言う
綺麗だったと書いておく
すっぽんは月が好きだと書いておく
梅に花、花と椿、緑の園 朶骸なくす @sagamisayrow
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます