第5話 姉弟
「一つ面白い策がある。」
「カントワはかつて、一度だけカムア王国と
戦争を起こそうとした。今回はこれを
理由にして、軍をつれようと思う。」
「でも、いくらカントワでも研究所内まで
軍を入れるような真似はしないで
しょう。」
「おそらくな。ではお前の護衛はどうする?
そこで、私は面白い者に出会った。
入りたまえ。」
二人きりだったサミルの部屋に一人の少女が
入ってきた。アルメは少女に見覚えがあった。
「もしかして、ルーメ?」
「久しぶりね、アルメ。」
「ルーメくんは、現在警察庁のスパイ部門で
働いているらしい。まぁ仕事上詳しい
仕事などについては聞いてはならんが
彼女に研究所内では護衛についてもらおう
と思う。
「なるほど。それはいい考えですね。」
「また、ルーメと会えるとは思わなかったよ
改めて、よろしくお願いします。」
「そんなに堅くならないでよ。
よろしくね」
「さぁ、話はここまでだ。
あとは、積もる話もアルメのいえで
してくれ。」
「「はい!」」
アルメとルーメは、カイワチにあるアルメお家に来ていた。
アルメとルーメは小さい頃からの仲良しで地元では、名前が似ていることから『まるで本当の姉弟のようだねぇ』なんて言われていた。実際はアルメの方が誕生日が少し早いから、言うなれば『兄妹』だ。だが、昔からルーメは、心身ともに強く、アルメはよくルーメに助けられていた。
「久しぶりだね。こんなふうに会うのも」
「そうだなぁ、もう6、7年は会ってない?
「もうそんなに立つんだ。早いもんだなぁ」
「で、検察庁にお勤めなんだって?」
「あんまり聞かないでよ。なんでもかんでも
言える仕事じゃないんだから。」
「そうだった。すまん。」
「そっちの仕事こそ、カントワに偵察に
いくんだって?あんたいつカントワール語
勉強したの?」
「ルーメこそ、いつ勉強したんだ?
言葉わからずでスパイはしないだろ」
「まぁ、仕事上いろんな国の言葉が
わかってないとやってけないからね」
「大変だなぁ」
「アルメこそ、青の星の言葉について
調べてるんでしょ。どんなのがあるの?」
「いえないよ。公式に許可が出ないと基本的
には他言禁止な秘密PJTなんだから」
「まぁそうね」
そんなことを話ながら、小さい頃の話にも華を咲かせつつ、久しぶりに二人だけの会話を楽しんでいた。
PJT青の星 らく @raku1025
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