第4話 カムア王国とカントワ

「きたか。」

「明日立ちます。」

アルメはサミルの部屋に来ていた。

「大学で、カントワについて学んだか?」

「まぁ、カントワール語について勉強する 

 ために少しは勉強しました。」

「では、カントワの統一王については

 知っているか?」

「統一王?カントワは王国ではありま

 せんよ。王がいたんですか。」

「いた。その王の名前はソウイチロウという

 そうだ。」

「ソウイチロウ?変わった名前ですね。

 その王がどうかしたのですか。」

「そのソウイチロウという者は、かのE5から

 きたとされているのだ。」

「えっ?!」

思わずアルメは、言葉を失った。

「それはないでしょう。だって、カントワは

 この星でも、宇宙開発に疎い国ですよ。

 統一王がE5の者なら宇宙開発を第一に

 行うでしょう。

 第一、もしそうならわざわざ、カムア王国の

 PJTなんかにのってきたりはしないで

 しょう」

「逆だ。カントワはすでに宇宙開発を

 行っていたとすれば?もうすでにE5と

 通信を行っているとしたら?ソウイチロウ

 から言葉を教われば、通信は容易い。

 つまり、今回カムア王国のPJTについて

 知ったことも。」

「そうか。この極秘PJTも宇宙開発がすでに

 進んでいれば、勘づくこともできる。

 手を組んで我らが掴んでいる情報がどの

 程度かに探りを入れるつもりなのか。」

「そう。つまり、カントワにカムアの者が

 はいるのは、向こうにとって、

 よろしいことではない。最悪の場合

 お前のことを消しにくるかもしれない。」

「・・・・・」

アルメは、黙るしかなかった。

「お前が死んでしまうのは惜しい。

 お前の知識と技術はこの国でも

 トップレベルだ。王国としてもお前を失う

 のは厳しい。

 なにより、アストに合わせる顔がない。」

「アスト?」

「お前の本当の父さんだ。

 カントワに向かわせた挙句、向こうで

 死んでしまったなんてことになったら

 いかん。」

「では、どうするのですか」

「一つ面白い策がある。」

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