第5話 光の射す方へ

全ての事が解決し、バルオキーに帰って来た4人

メイを見つけるとすぐさま

メイの父親が駆け寄ってくる

何故だか駆け寄って来る姿がスローモーションにみえる。


「メーーーーーーーーーイ!!

 無事か?無事なのかぁ?うわぁぁぁん

 我が愛しき娘よぉぉ!メーーーーーイ!

 メイっちゃん!!!

 良かった!よがっだぁぁぁ

 アドゥドォ(アルド)ー

 あでぃがぁどぉぉぉ(ありがとうぉぉぉ)」


泣きじゃくるメイの父親

メイは少し恥ずかしい様子だ


「やめてよー恥ずかしいなぁ、ちゃんと

 帰って来たんだから良いでしょ!

 凄く恥ずかしいよー」


いや、メイはどうやら少しではなく

かなり恥ずかしい様子だ


「いいじゃねぃかよーーーメイ!

 親子なんだからよお」


メイの父親は全身で喜びを表しているかのようだ

かつてこんなメイの父親を見たことがないほど

嬉しそうだ


「もぉ!親子だからってそんなに

 泣かれたら困っちゃうよぉ!

 アタシからすると月影の森に行って

 鉱石探してたら

 猫ちゃん達と出会って少し遊んで

 帰ってきただけなんだからぁ!

 もぅ、お願いだからやめてぇーーー」


メイ達親子の感動の再開?!というか

父親の一方通行な気もするけど、

ほほえましいその光景を後にして

アルドは煉獄界へいくのであった


「オタマンダー!

 あれから月影の森にいって四大幻霊達に

 あってきたぞ!

 光になって帰っていったように思ったんだけど

 ちゃんと四大幻霊は御座に戻ってきたのか?」


アルドの登場に大喜びのオタマンダー達


「ああ!戻ってきたぜ!」


「ありがとな兄ちゃん」


「YATTAZE!!!」



「良かった。詳しく説明するとだな・・・」


アルドはサラマンダーから聞いた事をオタマンダー達に話す事にした


「サラマンダーが言うには、

 人間界で言うストレスが溜まるらしいぞ。

 で、リフレッシュも兼ねて、

 少しだけ時間をとって月影の森に

 来ていたみたいなんだ


 四大幻霊も結構大変なんだな…

 今回の事でよくわかった気がするよ

 大変な事態だったけど本当に

 何事もなくて良かったよ


 オタマンダー達も落ち着いたみたいだから

 俺はバルオキーに帰るこにするよ

 またなオタマンダー」


「すとれす?なんかわかんないけど

 そうだったんだな」


「わかったぜ!ありがとな!」


「THANK YOU! MY BRO!」


「おう、兄ちゃん!達者でなぁ

 また来いよー」


またな、とオタマンダー達と別れてから、

あれ?人間界の言葉、

ストレスとかリフレッシュ・・・

オタマンダー達わかってたかな??

まぁいっか、オタマンダー達めちゃくちゃ喜んでたしな

と思うアルドであった


そして煉獄界からバルオキーに戻ってきたアルド


そこに村長の会議から帰ってきた

じいちゃん達を見つける

じいちゃんとフィーネは少し談笑していた


メイのことや四大幻霊のことがやっと落ち着いたが

今回の事でメイの父親やオタマンダー達の喜ぶ顔、カタチはどうあれ、安心と言う名の幸せか…

やっぱりバルオキーに帰ってきて

じいちゃんやフィーネがいるのは何かいいなと

あたたかい気持ちになるアルドであった


そして今回の事をアルドははじめから村長に話すのであった


「まず最初にメイの父親が凄まじい形相で

 メイが帰ってこないと言ってて

 どうやら月影の森で行方不明になったみたいで

 探しに行こうしたんだ

 そうしたらメイの店にいる巻藁から

 四大幻霊がいなくなったって聞いたんだ…

 

 居なくなったメイの事は気になったけど、

 メイの捜索は一旦ダルニスとノマルに任せて

 そこから俺は煉獄界へいったんだ」


村長は話を聞いて頷いている。そしてアルドは更に語る


「煉獄界に行くとオタマンダー達が

 四大幻霊がいない!

 幻霊を探してくれって言われて驚いたよ」

 

村長はひたすら頷いている


「何とか残っていた火のエレメンタルの残滓

 のメッセージをオタマンダーに伝えて

 オタマンダー達と話しをしているうちに

 バルオキーの昔話を思い出したんだよ!

 

 ほら、じいちゃんが昔話してくれてただろ?

 陽(よう)なき光(こう)なき場所・・・

 太陽はなく、光の届かない場所・・・

 ってさ?

 そこから、四大幻霊が月影の森にいるかもって

 オレは思ったんだ」


「ほう、あの昔話か?不思議な事もあるもんじゃのう」


「そしてオレの覚えてる昔話に出てきた

 泉の真ん中に月が映る時を待ったんだ。」


村長は相変わらず頷いている

アルドは続けて


「オレ達3人、ダルニスとノマルの

 バルオキー警備隊で

 現れた扉あれは時空の穴のようだったな、

 そこへ飛び込んだんだ

 そうしたら、ほぼ何ら変わらない

 月影の森だったんだ

 あまりに変わらない様子でついた

 瞬間焦ったな・・・」


「ほぅ、それでどうしたのじゃ」


「そこでノマルが首に赤い文様の猫をみつけて

 その猫追っかけてたら森の中の大きな野原、

 いつもとちょっと違った感じの月影の森に出て

 最終的にはメイも四大幻霊もそこにいて

 ちょっとヒヤっとすることもあったけど無事

 事無きを得たんだ」


一通りアルドの言葉を聞いて頷く村長

少し今回の事を考慮しているようだ


「ふむ、それは大変だったのぉアルド

 しかし今回の件であの昔話は本当じゃった

 という事になるのかのう…」


アルドは疑問に思った事を聞く


「なぁじいちゃん、その昔話

 俺所々しか覚えてないんだよ

 たくさん聞いてたはずなんだけど・・・

 良かったら聞かせてくれないか?」


「うむ、よかろう」


{ここから昔話になります}


昔々、バルオキーで

村一番の可愛い娘がおったそうな

その娘はメイコと言う名前じゃった

大層素直でとても良い娘じゃた


昔のバルオキーでは神が住んでいると言われた

今では考えられんのじゃが

陽(よう)なき光(こう)なき場所に贄を捧げていたそうな


今回はその生贄にメイコをと

白羽の矢が立ったのじゃ

メイコはバルオキーの為ならば、と

その話を了承したのじゃ


そしてその生贄になる日の前夜

月の映えて見える日であったそうな

メイコは陽(よう)なき光(こう)なき場所の泉の前で唄を唄っていた

静かな泉に月が綺麗に映っておった。


そして泉が突然輝きだしたのじゃ!

そこでメイコが見たものは猫の神様という話じゃ


メイコはその猫にバルオキーの事、両親の事

友達の事、大切な人達の話をし、そして自分が生贄になる決心をしたこと、でも、大好きな村だから後悔はしていない、でも本当はやっぱり怖かったのじゃろう。村の人にはなかなか言えなかった思いを涙を流しながらゆっくりと自分に言い聞かせるように語ったいう


すると猫はその話を聞き終わると

「そうか・・・よし!俺たちと遊ぼう!

 かくれんぼがいいな!!」

とメイコに言いだしたのだ


メイコは・・・・・



〔アルドここでこれまでの疲れが出てくる

 睡魔が襲ってきている

 しかし村長は続ける〕



メイコは他の人にはなかなか言えない

自分の話を聞いてもらったのでメイコ自身も、スッキリしたのじゃろう

その猫と遊ぶ事にしたのじゃ

かくれんぼという名の鬼ごっこだったらしいがのぉ

ふぉっふぉっふぉっ


しかしその頃、バルオキーでは大変な事になっておったんじゃ

メイコがバルオキーから消えた!

メイコは自分の命惜しさに逃げた!など

色んな事が囁かれたそうな


生贄がいないとバルオキーは滅びてしまうかもしれないと恐れの心からじゃろう、

バルオキーの人々は皆でメイコを探し始めたのじゃ


村の人々は恐る恐る月影の森に入っていく

その当時は今と違って

陽(よう)なき光(こう)なき場所は畏怖される場所だったのじゃろう


するとそこにじゃ

神と崇められておった魔物が現れたのじゃ

村の人々は祟りだと覚悟を決めた


その時じゃ!

その魔物が炎に包まれ姿を消したんじゃ!

そこには猫が首のところに赤い文様のある猫

がおったそうな!


その猫は村の人々にこう言い放った


「我らのためにすまぬな

 陽(よう)なき光(こう)なき森には度々遊びに来ているのだ

 贄などやめるがよい、我らは魔物ではないのだ

 ただ遊んでさえくれればよいのだから」


そう言って猫は消えていく

消えた後にはバルオキーの娘メイコが現れた

皆はメイコに駆け寄って話を聞くと

メイコはただ猫と遊んでいたのだと、

そして猫は謝罪していたといっていたそうじゃ

なぜ謝罪したのかわからずじまいだったそうじゃが


こうして猫は神と崇め奉られ、

神は陽(よう)なき光(こう)なき場所に

隠れていらっしゃる

どうやら何故じゃかわからぬが

神は人の子と遊びたがる

その時は人の子が神に隠され、

かくれんぼをするのだと言われたそうな


こうして陽(よう)なき光(こう)なき場所は

バルオキーにっとって

大切な大切な場所になりましたとさ!


{ここで昔話終了です}


「これが全部じゃ。アルド」


一通り話を終えてアルドの方をみる村長


「アルドや」


アルドもこれで理解したに違いないと鼻息を荒くする 


「・・・」


じいちゃんがアルドを見てみるとアルドはぐっすりと眠っている


「ZZZ ZZZ」


疲れているのだろうと笑顔でアルドを見る…


「そんなワシではなーい!」


そんな村長ではなかった!!!


「アルド!!お前はワシが真剣に話をしておるのに

 寝るとは何事じゃあ!!!」


飛び起きるアルド


「だってじいちゃん!今眠って思い出したけど

 オレその昔話、寝る前に聞いてたやつなんだよ!

 寝るときに聞く話なの忘れてた!

 やっぱり昔と変わらずこの話聞くと

 眠くなるんだーっ!」


勢いよく家から飛び出すアルド

追いかける村長

欠伸をするヴァルオ


「アルドーーーー待たんかぁ」


「じいちゃんごめん、ごめんよーーーーーー」


明るい陽の射しこむ

ある晴れた日のバルオキーのお話!

ちゃんちゃん♪


Quest Completed







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月影の神隠し? pamptk @pamptk

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