数に溺れて(書き出し中)

太田エイ

数に溺れて

 気になると気になってしまう。数えてしまうんです、なんでも。

 朝はまず居間のアンティークの振り子時計が7回打つのを数える。これは実用的なことで、6回ならあと1時間、1回ならば少なくともあと30分は寝られる。もとい、30分過ぎている可能性もある。7回聞こえて8回目が聞こえないことを確認して布団から出る。8回目が聞こえたら飛び起きます。

 数えるのはそれだけではない。

 二進法レベルでも数えてまう。シャツを着る時、袖を通しながら1、2と。二進法ならば0と1だけど、それは納得済み。靴下も、ズボンも、靴もその他、行ってまいります。

 玄関から外に出て、そりゃ数えますとも、歩きながら1歩、2歩、……、ただしいつのまにか数えなくなってしまい、ちょっとモヤモヤするけど気持ちで乗り越える。

 そして、駅の階段である。ホームまで何段あるのか? 時々、数え間違えるのか、1段多かったり少なかったりすることもある。なんだか不思議。

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