ライバルか。親友か。二人の料理人を巡る激しく優しき物語

元々自分は作者様の本編「彼は、英雄とは呼ばれずに」を読んでいますが、紹介文にある本作の前の作品は未読です。

ただ、正直この作品だけ読んでも十分面白いですので、気になる方は手に取りましょう!
(勿論先程挙がった作品を読んでいると、人間関係もより良くわかりますよ!)

料理店「パニヨン」を営む料理人のバルネア。
そんな彼女の店に現れたのは、有名な「銀の旋律」の料理長を務めるルーシア。

この二人の再会は和気藹々かと思いきや。
バルネアは彼女を大親友と言い。
ルーシアは彼女をライバルとあしらい。
しかし、互いに料理の腕前の凄さは譲らない。

何とも不思議な関係の二人に、バルネアの店で働くジェノとメルエーナは気が気でなかったのだが。

そんな二人が公の場で料理勝負をする事になる中で、二人の過去が明かされていく。

というわけで、元々ジェノが主人公の本編の異世界ファンタジージャンルと同じ世界故にジャンルがこうなっていますが、勿論料理人同士の戦い。
作者様が仰る通り、剣と魔法のないお話です。

しかし、異世界ファンタジージャンルの人間ドラマとして、本作は非常に良くできています。

天真爛漫でマイペースなバルネアと、傲慢で強気で負けず嫌いなルーシアの対比。
何故お互いがここまで違う反応を示すのか。
その理由となる二人の過去。
そして料理勝負の行方。

これらのバランスや展開、魅せ方が非常に良いんですよね。

特に人間ドラマとしての話も、読み終わる頃には「良い話だった」と思って貰える事請け合いです!

作者様らしいやや濃いめの描写。
でも決してくどい訳じゃないので、読みにくさはありません。

二人の料理人の人生を知り、良さを知る。
そんな素敵な、心温かくなる物語を是非堪能してみてください!\\\\٩( 'ω' )و ////