ダイエット修羅道
海老
ダイエット修羅道
人は滅多に立ち入らぬ深山幽谷。
蝦蟇津峰山中の祠は、数百年ぶりの喧騒に包まれていた。
刀を構えて敵を睨みつけたが、状況はよくならない。
「お兄ちゃん」
「大丈夫だ」
妹にそう言ったものの、道哉の前に立ちふさがる悪天狗と戦闘鬼たちにたった一人で立ち向かうのは無理があった。
「カカカカ、一人ではその程度か。練気の子供を渡せば命は助けてやるが」
悪天狗である
「そんな気はないだろう」
「ふむ、僕は本気でお前を失うのが惜しいと思っているよ。
道哉は刀を八双に構え、丹田の気を練る。
「そんなことのために
「ははは、
道哉の背後で身を竦める妹、伽夜を守ると決めたのはいつのことか。
「天狗、その言葉は取り消せ」
「道哉、残念だよ。ここで死ぬがよい」
蛇蝎童子は柳眉を吊り上げて笑う。
道哉が手に入らぬと確信した絶望を隠すため、ことさら冷酷に彼は笑う。
恋い焦がれたものが下等な女などに縋る様は、炎で炙られるよりも辛い。だから、ここで終わらせてやろうと思うのだ。
瘴気を放つ天狗剣を抜き放ち、その首めがけて振ろうとした瞬間、世界が回った。
「うるさい」
苛立ちのこもる声を聞いた瞬間に、腹の中が爆発したかのような痛みに襲われた。
いつしか悲鳴を上げて蛇蝎童子はのた打ち回っていた。
「こんな山の中で騒ぐな、馬鹿共」
それは、白装束の女だった。
化粧気の無い顔はつるりと丸い。が、潰れた耳に威圧的な瞳は鍛えた者の持つ、一種独特の暗闇を抱えていた。
「ば、ばかな、ぼくの、からだが、とと、溶ける」
浄化された気合の乗った一撃は、蛇蝎童子の瘴気で強化された肉体を分解する。
どろどろに溶けてゆく体を止められない。
「子供はさっさと山を降りろ」
女は言うと、ぐるりと周りを囲む戦闘鬼を見回した。
黒装束の戦闘鬼たちは、しばし逡巡した後で逃げ出した。勝てぬと分かって、尻尾を巻いたのである。
「まったく、うるさいと気が散るというのに」
女はぼやきながら、山道を凄まじい速さで歩いていく。
道哉は何か言おうとして言葉にならなかった。
訳の分からない者が、訳の分からないままに自分を救ってくれたのだと理解した時には、時すでに遅く。
すでに女の姿は消えていて、夢じゃないと愛する少女の温もりがそれを伝えてくれるのみ。
「あれは」
「きっと、神様だよ。山の、かみさま」
◆
わたしがダイエット決意したのは16歳の時だった。
わたしは太っている。悲しいくらいに太っている。
実家が焼肉屋さんだったのが悪いといえば悪い。けど、今から振り返れば、悪いのは根性の無さだった。
高校一年生で、好きな男の子に「うっせえデブ」と呼ばれてわたしは泣いた。
部屋でひとり泣いていると、テレビから賑やかな音楽とヒップホップミュージック。
ダンスで楽しく痩せられるダイエット教室のCMだった。
わたしはお小遣いを握り締めて教室へ向かったのだ。
人生は辛くはかないし、ジャムを塗ったパンを落としたら、だいたいジャム側が地べたに落ちてしまうようになっている。
ダイエット教室の受付には、クラスで一番きれいな女の子たちのグループ。見つかってさんざんからかわれて、わたしはまたも逃げ出した。
恥ずかしさと悔しさでポロポロ泣きながらの帰り道。
最後の意地で持ち帰ったパンフレットの入会金はお小遣いでは到底たりなくて、「うがー」と叫んで引き裂いた。
引き裂いたされをコンビニのゴミ箱に突っ込んたところで、ゴミ箱に張られたチラシに気が付いた。
格闘技のジムでダイエット。同時に護身術まで。
これしかないなと思ってたどり着いたのは、ボロ家だった。
猿みたいな顔のジジイが太極拳をやっている。そして、その隣では自分と比べたら百倍、いや、一万倍以上の幸せが日常茶飯事になりそうな人生を歩んでいるであろう可愛い女の子が同じ動きをしていた。
もう帰ろう。
あれがブサイクなら許せた。
あれはダメ。もうダメ。横にいられたら惨めすぎる。
「あら、チラシを持ってるってことは、ダイエット教室のッ」
将来はキラキラで幸せ確定の美少女がわたしの手を取る。
あれよあれよというまに、わたしはそこに入門することになった。
たぶん、それは人生の変わるきっかけだったのだと、あれから十五年もたってからそう思う。
猿みたいなジジイはわたしの
わたしは焼肉屋さんのお手伝いで下半身も上半身にも筋肉がついているのだそうだ。
いらない。
そんなのいらない。
最初のエクササイズは歩くことだった。
ぐるぐると地面に描かれた円にそって歩く。決められた時間通りに、決められた歩数で、決められた位置で終わるように歩く。
月謝は一万円だった。
辞めなかったのは、天使のような美少女が心まで天使で、優しくてステキで、やっぱり幸せ確定だったから。そして、途中でイケメンやコワモテが入門してきたことで、友達ができたせいだ。
彼らは何やらケンカしたりと忙しい生活を送っていたようだが、わたしは円に沿って歩いたり木で出来たジャッキー・チェンがよく叩いていた木の人形を叩いたりして一年を過ごした。
わたしはすっトロい。
トロい子の中でも飛び抜けてトロいのですっトロい。
そういうこともあって、単純なことからじゃないと続けられなかっただろう。
焼肉屋さんのお手伝いをしながら、一年半がたってジーンズがスカスカになった。ようやく、七号の服が入るようになった。
わたしは泣いた。
おーいおいおいと号泣していたら、美少女に「がんばろう」と言われて、ますます辞められなくなった。
後で知ったことだが、この涙は、その日初めて崩拳で瓦を内部から粉々にしたことで、感極まった号泣だと彼女は勘違いしていた。
高校三年間をわたしは中国拳法ダイエットに捧げて、天使のような女の子と親友になり、六号の服を着られる体型を手に入れたのだ。
高校を卒業しても、わたしの進路は決まらなかった。
実家のお手伝いをしながらダイエットに励む日々だ。食事制限は体調を崩すらしいので、中華中心の食事に切り替えている。もちろん、師父の直伝である。
やはり、長年の焼肉屋さん生活で肉は落ちてくれない。筋肉の上に乗る脂肪がなかなか取れないのだ。
それから二年が過ぎて、師父と美少女とその婚約者の弟弟子が婚約のために、中国へ帰ることになった。
「その忍耐と集中力、見事の一言。このまま続けていれば夢は叶う」
と、師父は言った。
19歳になって、わたしはようやく高校生活を終えた気分になった。きっと、わたしの時間は「うっせえデブ」と呼ばれた時から止まっていたのだ。
なんだか嬉しくて、号泣した。
しばらくして、わたしは進路を決めた。
19歳になってから、わたしは将来を考えてマッサージの専門学校に通うことにした。
師父の身体を揉んでいたり、
師父と美少女にメールをしたら、その道で有名な先生を紹介してくれた。
なるほど、太極拳とかを基にしたカイロの先生であるらしい。柔道整体よりもお洒落だし、将来は先生としてダイエットや整体を指導するのもいいな、と考えたのだ。
専門学校はうわついた気分で通えるようなものでなかった。
わたしは甘えや弱さの出ていた自分を呪った。
今までのエクササイズと基本は同じだけど、今度は違う。人を健康に、そして美しくなるために導くというのは並大抵のことではない。
新しい師父のもとで、漢方薬や人体について学び、実践する。
同じ生徒たちも真剣さが並大抵ではない。
厳しい指導のもとで、わたしは中国式の鍼灸術や漢方を会得した。
五年間を費やしての卒業である。
この時もわたしは涙した。
嬉しかったのもあるが、もらった資格証書に中国武術連盟と判が押されていて、日本国内では意味をなさないと気づいたからだ。
わたしはすっトロい。
師父には感謝しているが、国内での開業をどうしたものかと思い悩むことになった。
けれど、スタイルは維持しているし、人並になれた。
これで、ようやく前を向ける。
「うっせえデブ」
もう言わせない。
実家に帰ると、焼肉屋さんの経営は傾いていた。
開業資金を出してくれなんて言える空気ではなくなっていた。
わたしは、仕方なく地元の企業に就職した。
誰でもできる事務員というものだった。
すっトロい。それが足を引っ張る。
仕事では怒られるのもしばしばだったけれど、今までの師父の教えが厳しかったためか苦痛は感じなかった。
美容師は根性があるというが、それに似たものである。
家と会社の往復。そんな生活にも慣れたころ、会社が傾いてリストラの憂き目にあう。
ため息を吐きたい最期の仕事の帰り道に、おでん屋さんに寄ることにした。
今日はカロリーを気にせず食べようと思っていたら、ナンパされた。
思わず、ちくわぶを口に入れたまま手が止まる。
人生初のナンパ。
嬉しい。
相手が眼帯をつけた筋肉なオッサンでも嬉しい。
「お嬢ちゃん、付き合ってくんねえか」
こんな粗野な言葉でも、嬉しい。
いつの間にか上気していた顔を見られている。
「へへっ、嬉しいねえ。こんなオッチャンにそんな顔してくれるなんてさ」
「散歩だけなら」
あまりに嬉しくて、わたしはそんな返事をしていた。
「いいねえ、散歩がてらかい」
ナンパから初デート。
相手がイケメンじゃないけど、このオッサンもワイルドでいい所がありそうだ。そう散歩だけ。
近くの公園に散歩だけ。
◆
椿虎雄は三戦立ちの姿勢を取った。
何をしてくるか分からない相手には防御の型より始める。鉄壁の肉体にて一撃を受けきり、返す拳で相手に必殺の牙を叩き込むのだ。
目前の女の上気した顔から、色が消えた。
公園のベンチに座り、じっと虎雄を見ている。
「ふ、これじゃあ千日手か」
ただ、座る。
かのアントニオ猪木がモハメド・アリに使用したものと、体勢は違えど同じである。手を出すのを待ち構える相手に対して、何もさせない。
おでん屋で見かけた時から、分かっていた。
強い。
体つきから、中国拳法と見た。
女の身でありながら、どれほどの鍛錬を重ねればこうなるのか。
散歩がてらに倒すと言うだけはある。
だが、アリのやらなかったことを虎雄は出来る。
「へへ、やるねえ。だけど、オッチャンのも見てくれよ」
ゆらりと瞬時に距離を詰めて、虎雄は回った。
胴回し蹴り。
一対一の空手で、最も派手で危険な、極めれば極める程に危険な命を刈り取る業であった。
相対するものは目の前で何が起きているのか理解できない。そんな業である。そして、気づいた時にはもう遅い。
頭を蹴り砕く心積もりであった。
足にあった感触は、ベンチを蹴り砕く感触である。
消えた!? 何があった!?
虎雄がそう思った時、背後から胸に抜ける強烈な一撃が叩き込まれた。
ああ、そうか。ガキの頃に映画で見たな。
中国拳法の達人は、ノーモーションから長椅子をくぐる。
胴回しのために飛んだ自身の下半身をすり抜けて、女は背後に回って拳を叩き込んだのであった。
打たれた背中に不思議と痛みはなく、強烈な痛みは胸にあった。
こいつが発頸かあ。漫画みてえだ。
背中を打たれて胸が痛む。
息ができなくて、目の前が暗くなっていく。
見上げれば、月を背にした女がいる。
冷たい相貌からは、なんの感情も読み取れない。
今度は満足させるよ。
だから、おれのことを忘れないでくれ。
たのむよ。
惚れた女にも抱いたことの無い想いを胸に、椿虎雄、生極道空手七段は気を失った。
◆
まさか、いきなりDV男になるとは思わなかった。
護身術で撃退したが、やりすぎてこのままだと死んでしまいそうになっている。
死んだら警察に捕まりそうなので、軽く死なないように手当してやった。
専門学校にいってよかった。
危うく傷害致死の汚名を着せられるところだ。
気分の落ち込んだわたしは、DVDをレンタルした。
少し古い映画。
リーズ・ウイザスプーンさんというとってもキレイな女優さんが、頭の悪そうなピンクの服を着た女子大生役をしている。
頭の悪い女子大生は色々あって弁護士になったりして、どんどん頭がよくなっていきながら恋愛も人生も上手くいく映画だ。
90年代の終わりに流行った時、ピンクコメディと呼ばれていたジャンルだ。ピンクはお色気じゃなくて、ピンクの服を着た女が大活躍って意味。
正直、けっこう退屈な映画だけど、面白い。
自分を磨こう。
そうしたら、あんな男はよってこない。
人並で満足したらダメ。
ウイザスプーンさんみたいになるんだから。
わたしは求職活動をしながら、エクササイズにも力を入れるようになった。
幸い、お給料はほとんど使わず残っている。
自炊を覚えたおかげだ。それに、モデル並になった時のことを考えて服も買っていない。
師父がいないという環境では、ダイエットのモチベーションにも限界があって、そんな時に飛び込んできたのはインターネットの情報だ。
マイナスイオン溢れる森で行うダイエット塾。
これだ。
直感でピコンときた。
でも料金がお高い。
インターネットで検索の末に検索。そして、手頃という言葉を大幅に超えたスペシャルプライスを見つけた。
大自然の中でキャンプをしながらのダイエットである。
わたしは一か月のキャンプに応募した。
甘く見ていた。
大自然は甘くない。
まさか、ナイフ一本だけで、山で一か月も過ごすなどと思ってもいなかった。やっぱり、注意書きはよく見ないとダメだ。
蛇を捕まえて食べることにも慣れた。
意外になんとかなるものだ。
マイナスイオンを吸い込んで、背後からの気配に肘を叩き込む。
参加者同士のレクリエーションとして、互いに配られている名札を奪い合うのだが、男性陣はセクハラしようとしてくるのでお仕置きをしている。
こういう状況じゃないとモテない自分が情けないし、これは全く嬉しくない。
一か月、無事に過ごすことができて、一皮剥けた気分だ。
◆
我が国唯一の諜報機関である内閣調査室。その新規調査員の選抜試験は終了した。
レンジャー部隊や殺し屋、忍者の末裔までもが加わった試験の最優秀合格者は、何の裏も無い女性だった。
中国武術連盟の信任を受けていることからも背景が危ぶまれたが、徹底的な調査でシロと判明している。
彼女の年齢、そして、経歴からも市井に紛れての『草』として用いることが決まった。
◆
求職活動が上手くいかず困っていたところ、ハローワークの相談員の勧めで派遣会社に登録することにした。
鍼灸の腕を買われたものだ。
派遣社員というのは忙しいものだと初めて知った。
変わった仕事もあるもので、海外にガイドを伴って買付に行く仕事や、有名な政治家の集まるパーティーのお茶くみ、さらにはとある大金持ち御令嬢の世話係なんてものがあった。
ギャラもよくて、わたしは忙しくも充実な日々を送っていたのだが、二年を過ぎて気づいてしまった。
余裕のあった体型が、パツンパツンになっている。
「もっと、もっとちゃんと見つめ直さないと」
ついぞわたしは、ロッカールームで声に出してしまった。
わたしはさらなるダイエットを探す。
初心に立ち返り見つけたのが、断食道場である。
色々と吟味していると、仕事先で知り合った社長さんがお寺を紹介してくれた。
山奥の寺で断食ダイエット。
座禅もある。
派遣会社に無理を言って休みを取ったわたしは、山奥の寺へと向かったのだ。
◆
寺での修業は座禅によって心を落ち着かせ、気を練るというものだった。
スピリチュアル空間で精進料理を食べて過ごす。
気というものに関しては発徑エクササイズで慣れていたが、ぴしゃりと肩を叩かれる。
ダイエットに対する妄執が出ていたらしい。
わたしは無心になるために、座禅に集中する毎日を過ごした。
今までの日々は悪くなかったが、何やら流されて生きてきた気がする。
カイロの先生になるという夢もまた、将来というものに不安を覚えてとってつけたような夢でしかない。
派遣の仕事は楽しいが、将来から目を逸らしている。
またしてもぴしゃり。
わたしはどうしてこんなことをしているのか。
わたしの根源はダイエットだ。
「うっせえデブ」
そう言われたトラウマが、わたしを突き動かしている。
だけど、本当は、本当は……。
キレイになりたい。
ただそれだけだ。
街をしゃなりしゃなりと、リーズ・ウイザスプーンさんみたいに歩いてみたい。モテたいのもあるけれど、それよりもあんな風になってみたい。
理想の自分になりたい。
スーパーモデルみたいなピタッとした服も着たい。街の視線を独り占めしたい。
さらに、ぴしゃり。
どうしてそうなりたいのか。
悔しさもあった。
哀しさもあった。
自分を変えたかった。
「欲望が悪いと誰がいいました?」
先生である寂聴さんみたいな尼僧が囁く。
「でも」
「人間らしさを捨てるのは、良いことなのでしょうか」
ああ、そうだ。
わたしはキレイになりたい。
だって、女の子なんだから。
わたしは三日間もの間、座禅に集中していたらしい。
気づけば布団に寝かされていて、尼僧が寂聴さんばりの穏やかな笑みを浮かべて、枕元に立っていた。
「得られましたね」
「はい」
とても大切な何かに触れていた気もするし、ただトリップしていただけのような気もするけれど、胸の中の焦りは消えていた。
一年間、その寺で気のすむまで過ごして、わたしは山を降りた。
◆
今、彼女は人の立ち入らぬ山の御堂で座禅を組んでいる。
頭に
派遣会社の仕事に、なぜか法要だとかお祓いだとかが追加されていて、忙しい日々を送っていたのだけれど、あまり気にせず食べてしまったせいで、服がパッツンパッツンだ。
やってしまった。
法要とかお祓いとか、その後で食事に呼ばれることが多いせいか、食べ過ぎ飲み過ぎ胃腸薬が手放せないをやって、えらいことに。
山籠もりでダイエットをすると派遣会社の社長に言う。無理なら辞めてやる決意だ。
「キミは、どこまで高みに登るつもりなんだ」
と、皮肉を言われた。
ばっ畜生。
とにかく、ダイエットしないと。
今の状態であの寺にいくのは、相当恥ずかしい。
こんな無様な姿は見せられない。
この山奥の、人のいない御堂なら、誰にも情けない姿を見られない。
今までのダイエットを全てミックスして行う。無理なダイエットはリバウンドしやすい? 知るかそんなもん。
朝は中国拳法エクササイズ、食糧は現地調達のアウトドアエクササイズ、一食抜くために夜は座禅で断食を敢行する。
ああああ。
御堂にはブランドのスーツをかけてある。
ウイザスプーンさん、わたしに力を!
◆
駆け出し退魔師である桐堂道哉は、妹のような少女を救うために向かった霊峰で、師と運命的な出会いを果たす。
知れば知るほどに、底の知れない女であった。
内閣調査室と公安対魔班の切り札とされる女だ。
中国拳法は達人の域にあり、人の通わぬ山中で生き抜ける技術を持ち、恐るべき清浄さの霊力を持ち得てなお、道半ばと語る。
彼らが、この世を地獄に変えようとする魔との戦いに身を投じるのは、もう少し先の話である。
ダイエット修羅道 海老 @lobster
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