グループに所属した話
私は本来、単独で行動したがる性質です。
本職の仕事も単独行動の仕事が入ると正直喜んでしまうし、家事すらもきっちり分担して、なるべく干渉し合いたくない。
無論と言えば無論なのですが、執筆と言う行為はその最たるものです。書いている最中は、話し掛けられるのも嫌です。
しかし一方で、書いた小説は読まれなければ自己満足に終わる、とも考えています。
何度か、自身のステップアップのために、複数人で創作に取り組む団体に所属したり、関わったりした事がありました。
まずは先制ジャブ。
さるネットゲームをやっていた時期、そのゲームの二次創作作品(ビジュアルノベルだったかな)の開発チームに誘われた事がありました。
複数のシナリオ担当がオムニバス方式で主人公を作り、ある程度までの話を単独で書く。
そして各主人公が出会ってから話を統合し、皆で先を決める、と言う方式でした。
確かにネットゲームとは、大まかなストーリーこそあれど、人の数だけ主人公が居ましょう。
のびのびと自由に話を書けて、しかし基幹となる世界観設定はそのゲームなのだから、理解も早い。
この環境で意見を交わし合えればかなり有意義に思えました。
しかし実体は、のびのびし過ぎていました。
「フェニックスとか出しましょうよ!」(※そのゲームにフェニックス・不死鳥の類いは存在しません)
当たり前ですが、二次創作は元作品に対する理解とリスペクトが必須です。
それらをぶっちぎって面白い作品を書けると言うのであれば、一次創作でやるべきです。
私としては、主役の設定を決めた辺りで抜けさせて貰いました。
ネットゲームあるあるなのですが、会議も雑談で横道に逸れて、何一つ実がなかったからです。
次にこれは所属した、と言うより場違いな所に迷い込んだパターン。
ネット小説のレビューを作品として投稿されている方もかなり居られるかと思います。
SNSにて、そこで取り上げる作品を募集していたので応募してみたら、快く承諾していただけました。
しかし、どの作品をレビューしたら良いか、と言う相談が無く、正直、その時点で感想を求めていたわけではない作品をチョイスされました。
(これを言うのはわがままかも知れませんが。様々なジャンルを探していたとも言われましたし、そちらの都合優先でも仕方がないかも知れませんが……そのジャンルはもう一作品ありましたが)
その作品には人を選ぶ描写がある事を断っておくと「存じております」との事。
と言う事は、最初のやり取りをする前に読了頂いたと言うことで、仕事が早い。すぐに取り上げて貰えそうだと思いました。
あと、応募する前に、その方が書いた他のレビューを先に読みました。
かなりのボリュームで、内容も充実している。
これはかなり期待できると思い、翌日更新されたものを読みました。
「かなりハードな内容のようです」
の一言のみでした。
決して間違いではありませんが、他作品であれだけ饒舌だった方が、私の作品を読んで一行で済む筈がない、という自信はあったので肩透かしを喰らいました。
(誤解しないで欲しいのですが、一行だけの感想そのものを否定する意図はありません)
その後、他の方のツイートで「◯◯氏(レビューを書いた人)より突出したクオリティと、絶賛頂きました!」と言うものを読んで、恐らく私はアウェーな場所の門を叩いたようだと感じました。
もしかしたら「多数ジャンルをレビューした」と言う実績のために、私の作品を採用頂いたのかも知れません。
いやいや、あるいは私の僻みかも知れません。
そして本命の話題。
Twitterにて、さる文芸サークルのメンバー募集があったので、参加表明をしてみたら、快く受け入れて下さいました。
最初に会長からDMが来て、面談のようなものがありました。
とりあえず言われたのが「正規メンバーか、サブメンバーかを選んで欲しい(後で変更可)」と言うこと。
当然、正規の方が作品公開のノルマが厳しいようで、当時結婚も控えていて忙しかった私は、サブメンバーから始める事を選びました。
まあ、正直なところ、様子見と言う意図もありました。
次に言われたのが、作品の公開に対して原稿料が支払われる事。
元々お金が目的ではないし、貰えるなら拒む理由も無いので話し半分で聞きました。
ただ「個人経営のサークルで報酬を出すと言うことは、余程しっかりされているか……絵に描いた餅のどちらかだな」とは思いました。
そして、会長より衝撃の一言。
「会誌への出演に女優の起用も検討しています」
……まあ、昨今の私は「自分のわからない領分に対して主観で決めつけない」と言う事を覚えた所です。
これも話し半分で、しかし眉に唾をつけて聞いておきました。
しかし。
何となく、昔、就活の時に受けた「集団面接で急成長中のプレゼンに終始してきたお肉屋さん」を思い出しました。
詳細に興味がある方は、こちらへ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055446437088/episodes/16816452218432073178
で、結果として。
とりあえず一作は送りました。
納期がある短編書き、と言うライフワークが出来たのは、為になったのでは無いでしょうか。一作で終わりましたが。
会議や品評会なようなものがあるのかと思えば、ほとんど音沙汰はなし。
またTwitterには「リツイートしてくれた人の小説を読みにいく」と言うタグで感想を書く人が相当数居るのですが、それへの応募が禁止されていました。
メンバー同士の感想の強要がいけないのは、まだわかる。
しかし、望んで小説を募集している方に自作を読ませてはならないとは、どういう意図からか。
訊かなかった私も悪いのですが。
あとから考えると、それで知り合った方がサイコブラックにとても素敵な感想をくれた事を考えると、この機会損失は甚大だったと思います。
また、確かメンバー間で作品の宣伝にシェアしてあげるのも禁止だったと思います。
しかし、サークルの幹部や公式アカウントが、これに参加したり宣伝に協力していたりしました。
その後、音沙汰もなく半年くらい経った時、DMに、元幹部の方から連絡が。
原稿料の支払いや個人間でのトラブルで会長が蒸発、会は解散と告げられました。
なかなか凄い内容でしたが、一応私が暴露して良い話でもないし、論旨から外れるので割愛します。
もしかしたら、真剣に切磋琢磨されているグループがあるとは思うので、決めつけはできません。
確かに読まれて初めて、小説には意味が出るので、公開してからは“人”ありきではあります。
しかしやはり、小説書きというのは、少なくとも執筆中は孤独なものでは無いでしょうか?
今のところ、私はそう考えます。
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