バズった作品を一度消した話
ひとつ、やろうと思っておいそれと出来ない経験をしたのを思い出し、キーボードを取った次第です。
それは何かというと、私は一度「バズってアクセスが急増した作品を消した事がある」と言う事です。
なかなか、お目にかかれない状況だと思います。つまり、良いサンプルになるのではないでしょうか。
その作品とは、私が今、カクヨム・小説家になろうの2サイトで投稿している「無血のヒーロー サイコブラック」の事です。
この作品の経緯としては、
なろうで初投稿→数年後に改稿版をカクヨムで投稿→私生活の都合で時間が無く、なろうの方を改稿出来ない=今の自分が意図するところでは無い作品を残すわけにはいかず、なろうから削除→最近、再投稿する余裕が出来たので再びなろうに投稿した
という感じです。
旧バージョンがなろうにあった時期、サイコブラックのアクセス・ブックマーク数が異様に増えた事がありました。(ブックマーク数は失念しましたが、最も極端な時期で1日3000pv頂いたと記憶しています)
所謂“底辺”街道を行っていた筈なのに、ある日突然コレなので、何事かと思って検索してみた所(恐らく大手と思われる)まとめブログで取り上げて頂いていた事がわかりました。
正直なところ、サイコブラックは表に出した作品の中では自信作の部類に入り、それが純粋な目で評価された事がとても嬉しかったです。
賛否、有意義なコメントも沢山いただき、それがのちの新バージョンに活きた所もあると思います。
今でも「無血のヒーローサイコブラック 小説家になろう」でググれば、恐らく1ページ目に出て来るはずです。
そんな状況にあって作品を撤去する事は大変申し訳なくも思いました。
しかし、マイナーチェンジとは言え、自分が「完全版とは思えなくなった」状態の作品を残したままにしておく事は本意では無く、ジレンマもありましたが、削除に至りました。
一応、ブログ効果によるアクセス増加も下火になって久しく、活動報告による告知から数日の間を空けての削除だったので、最大限、途中まで読んでくれていた方への配慮は出来ていたものと思いますが……。
その後、再投稿の目処もついたので、サイコブラックは再びなろうに置く事が出来ています。
しかし、これを書いている2021/2/5現在、累計アクセスは2300の、ブックマーク数は5件。なろうにおいては、再び“底辺”とやらに逆戻りです。
正直なところ、かつて読んで下さった方が戻ってきてくれる期待を全く抱かなかったかと言うと嘘になります。
しかしやはり、話題性と言うのはあくまでも一過性のものに過ぎないと、この経験を通して学ぶことが出来ました。
それでもカクヨムに移植した際「好きな作品でした」とコメントして下さった方も居られました。
ブログで取り上げられたサイコブラックをきっかけに、覚醒すも読んでくれた方が感想を書いてくれた事もあります。
それが知れただけでも、この削除に後悔はありません。
恐らく、サイコブラックが取り上げられた事は、運が良かった事なのでしょう。
しかし、宝くじで億万長者になるには運が必要ですが、その運を引き寄せるにはそもそも、お金を払って宝くじを買わなければならないわけです。
真面目に面白いものを追究してサイコブラックを書いたら、運よくブログで取り上げて下さった方が居た。私は、胸を張ってそう言えます。
流行のトレンドばかりではない……むしろ、流行があるからこそ、そこから外れた掘り出し物を貪欲に求める読者も居る。
流行から外れた作品であっても、こうした良い事が起こり得る事を、知っていただきたく思います。
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