モテたい乙女の異世界チャーム

@Yodose

第1話 転生乙女!謎の紳士との邂逅

私は恋をしていた。しかしそれは叶わなかった。病気のせいだ、私は難病を患っていて、そのせいで大学を中退しなければならなかったのだ。


私と彼とのつながりは、大学だけだった。病床に伏せている身てば、進展は望めない。またぞろ病気も悪化して毎晩峠をさまよっていた。ほんとにこの病気が憎らしい、悪寒がした。じっと目をつむる。彼とデートをしているところを思い浮かべた。


「寡婦に行って、買い物して、それから……」そして私の目が開くことは二度となかった。


 もうろうとする、意識の中ふとまぶしさを感じた。


目を開けるとそこはオシャレなカフェだった。アンティーク調の家具が陽光に照らされ輝いている。


「お気づきになられましたか、悲恋 歩夢さん。」


びっくりして、声のした方に目を向けると斜め前の席に、スーツに、トップハットをかぶった、若い紳士がいた。


「あなたは…誰ですか。」ぶしつけな言葉で、必死にそう返したが、理解が追いつきそうにない。


特に気にするでもなく、目の前の男は、


「私は、天宮 神平と申します。貴女を異世界に導くため、ここにいるのです。」


異世界?ひょうひょうと言ってのけた言葉に、嘘は感じられなかった。


「異世界というのはよくわかりませんが、ここはどこですか?」


「見ての通りのカフェですね。まぁ、天界つまり、神々のおわすところにありますがね。」


天界?神々?意味不明過ぎて困るなんてもんじゃない、


異世界についてのアンサーが抜けているし。この天宮さんも少しは怪しいし。


しかし、目の前の紳士は言葉を続けた。


「貴女を異世界に転生、させようと思います。ですが、徒手空拳で転生すれば、すぐ死んでしまうでしょう。」


死ぬ?ふざけるな、かってに転生させて、またあのみじめな体験をさせられるのか。


「ふっざけんじゃないわよっ」声を荒げて言う。


「なんでまた、死ななきゃいけないのよ」病気だとか転生だとか、全くもって関わりたくない。二度と、本当ならラブコメのように行きたかったのに、どうしてこんな理解不能な、ことになっているのだろう?


「少し落ち着いて下さい、コーヒーでも飲んで。」


すると目の前にコーヒーが出てきて、ふと我に返る。


「お気持ちはわかります。しかし歩夢さんが簡単に死なないように、私がいます。」どういうこと?コーヒーが口に流れるのと一緒に、落ち着きも取り戻す。


そして、天宮さんは、笑みを浮かべこう言った。


「貴女に、魔法を差し上げます。3つのスキルから1つお好みのものを選んでください。」

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