あぎょうさんさぎょうご

昆布 海胆

あぎょうさんさぎょうご

「夢幻企画・・・っと、これで完了」


俺は趣味で小説サイトに投稿を続けている何処にでもいる普通のサラリーマン。

趣味はゲームに漫画、そして小説だ。

今回は知り合いのユーザーである方が企画した『夢幻企画』と言う企画に参加して小説を書いてみた。


あらすじはこうだ・・・

とある本屋に開店初期からずっと並んでいる1冊の絵本。

その内容は、夢の中に出てくる妖精が望む夢を見せてくれると言う話だ。

だがこの夢の中に出てくる妖精が見せてくれるのは夢の中の夢、そこで目覚めたと勘違いして現実に戻ってこれなくなる話だ。


「さて、どのくらい伸びるのかな?」


期待に胸を膨らませそっとノートパソコンを閉じて俺は明日の仕事の為に寝る事にした。





「えっ?!総合評価30pt!?嘘だろすげぇ!」


帰宅して投稿した小説の評価を見て俺は驚いた。

普段は10ptもいかない評価しか貰えてない俺の作品が24時間で30ptもの評価を貰えていたのだ。


「流石に他の人の評価は高いけど・・・それでも俺にしては上出来だな」


学生時代は国語が苦手だった自分、正直文章力は低いのは間違いない。

そんな俺の書いた小説でもこうやって読んで貰える事に感謝しかない。


「早速感想書いてくれた人に返信しないとな」


俺は書かれていた数件の感想に返信を返していく・・・

普段書かれる事の無い他の人の感想はありがたいものだ。

そんな中、一つの感想に気が付いた。


「なんだ・・・これ・・・」


感想をくれた人の感想の最後に『みよてた めじもんさ』と書かれていたのだ。

逆から読めばすぐに分かった。


『さんもじめ たてよみ』


一体何の事だろうと思ったが、俺はまさかと思って自分の投稿した小説を見返してみた。

すると身の毛がよだつ悪寒を覚えた・・・


『あぎょうさんさぎょうご』


それは口に出してしまえば呪われてしまうと言われている言葉・・・

小さい頃に聞いた事が在るこの言葉が並んでいたのだ。

俺は慌ててこの言葉を書き換えようと編集ボタンをクリックする・・・

だが、ネットのつながりが急に悪くなり読み込みが終わらない・・・


怖い怖い怖い・・・


冷や汗が背中に流れ俺は何度も何度も『編集』ボタンをクリックする・・・

だが何度やっても読み込みは終わる事無く、俺は一度パソコンを再起動する事にした。

そして、起動してネットに繋いで直ぐに目にした・・・


「新しい感想ではなく、コメント?」


編集を今すぐにして消さないとと考えていた筈なのに手が勝手にコメントをクリックする・・・

そして、それを読んで俺は思わず吹き出してしまった。


『あぎょうさんさぎょうご』


子供のころに聞いたこの言葉の本当の意味がそこに書かれていたのだ。

コメントをくれたのはこんかいの企画の企画者さん・・・

ありがとう・・・

まさかこの口に出したら呪われる言葉の真実があんな事だったなんて・・・





























『あぎょうさんさぎょうご』


『あ』行3 『さ』行5


『う・そ』




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