第3話
「んん……」
ベッドで寝ていた慎也は起きてスマホで時刻を確認すると、もう夕方だった。
いつもならこんな遅くに起きることはないんだが、昨日は血と生気まで吸われてしまったため、夕方になってしまったのだろう。
隣には幸せそうな顔をしている桃花が寝ており、ずっと彼女の笑顔を守っていきたいと思う。
「んん……お兄、さん……?」
優しく頭を撫でると、桃花が目を覚ました。
深夜……というか朝まで沢山していたので、いくらサキュバスの血が混ざっている桃花も流石に疲れているだろう。
「えへへ。お兄さぁん」
起きた桃花はギュッと抱きついてきた。
寝る前は流石にお互い服を着たが、抱きつかれては桃花の柔らかい感触が慎也の本能を襲う。
抱いた影響か桃花がサキュバスのためなのか、寝起きであろうとも興奮してもおかしくない。
昨日までは抱き付かれても大丈夫だったのだが、抱いてしまった影響だろう。
「好き、だーい好き」
甘えてくる桃花は可愛く、抱きつかれるだけで幸せな気持ちになる。
「んん……」
いつの間にか自然と重なった唇からはキスの音が響く。
まだ起きて十分も立っていないのだが、イチャイチャを開始。
いっぱいキスをしながら桃花を抱き締め、絶対に彼女を離さない。
離したくないのは桃花も同じようで、彼女も抱き締めて離そうとしない。
「お兄さん、深夜にも言った通り、私はサキュバスの血も混ざっているので、何度しても緩くなることはありませんから」
「うん。凄い気持ち良かった」
初めてを貰う前に聞いたことで、男性を気持ちよくさせることに特化したサキュバスの血がある桃花は、何度しても締まりが抜群なようだ。
さらには妊娠も好きなタイミングで出来るため、避妊の必要もない。
桃花としたら生気を吸われてしまうが、大好きな彼女になら沢山吸われても大丈夫だ。
「桃花、これからは俺の血だけを吸って?」
襟を掴んで首筋を見せる。
「いや、生気も吸いますし、お兄さんの身体に負担をかけちゃいますよ」
確かに昨日抱いた時に少し脱力感を覚えた。
生気を吸われた証拠のようで、一日に何度も吸われるのはしんどいだろう。
さらには血まで吸われたら身体がもたないかもしれない。
「ダメ。俺だけの血を吸って。桃花の身体を俺一色にしたい」
首筋を桃花の口元に近づけて吸わせようとする。
人から直接吸うのは自分のだけかもしれないが、桃花は父親から貰った血を飲む。
病院経由だから病気の心配はないだろうが、どこぞの馬の骨の血を飲ませたくない。
「お兄さんって独占的強いんですね」
「嫌か?」
「いえ、大歓迎ですよ。私の全てはお兄さんのものです。いただきますね」
プスっという擬音が出そうなくらいの勢いで、桃花の牙が慎也の首筋にめり込む。
麻酔のおかげで痛みはなく、血を吸われているかどうかも分からない。
以前にお兄さんの血美味しいです、と言っていたので、桃花にとって慎也の血は貰った血を飲むのとは違って別格だろう。
んくんく、と音を立てて飲んでいるのだから。
「ご馳走さまです」
血を飲み終わった桃花の顔は満足そうだった。
吸血鬼にとって好きな人の血を飲めるのは何よりも嬉しいことなのかもしれない。
慎也の首筋から流れる少しの血を指ですくうように取って舐める姿がとてもエロく、見ているだけで押し倒してくなってしまう。
「お兄さんの生気って凄いですよね?」
「そうなの?」
「はい。サキュバスとして覚醒したから男の人の生気が分かるようになったんです。以前にお母さんも言ってましたよ。慎也くんは性欲ヤバそうって」
生気イコール性欲ということだ。
確かに今まで桃花に手を出さなかったのは自分でも不思議に思っている。
でも、もう抱いてしまったのだし、これからは毎日のようにすることになるだろう。
今も抱きたいと思っているのだから。
「していい?」
「あん。お兄さん本当に性欲凄いです。普通はサキュバスとした次の日は抱きたいと思わないって聞きますよ」
「他の人のことなんてどうでもいいよ。俺は桃花とずっと一緒にいたいし、将来は妊娠させたい」
「はい。来てください。私は子供を産んでもお兄さんを沢山気持ちよく出来るくらいにずっと締まりがいいですから」
彼女に覆い被さり、これからは桃花を幸せにすると誓いながらした。
吸血鬼とサキュバスのハーフ美少女は何度しても締まりは未経験のまま しゆの @shiyuno
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