幼少の頃
ふと幼少の頃を思い出して泣くのは、懐かしさからではない。あの頃と比べて、今の自分が醜く汚らしい存在になってしまったことに気づいてしまうからである。
思えばいつからこんな人間になってしまったのだろう。幼少の頃の私は少なくとも、未来というものに希望を持っていたし、毎日の全てが輝いて見えた。けれども、今は未来には絶望しかなく、あらゆるものが淀んで見える。
きっと、その純粋さはなにも知らない故のものに違いない。世の中の醜さや自分の愚かさなどを知らなかったからこそ、無垢でいられたのだ。要らぬ知識だけ増えていき、私の心は汚れてしまった。少ない言葉で思いを表現するのに悩んでいたのに、今は多くの言葉で言い訳を考えている始末だ。
心の漂白剤はどこにあるのだろうか。
掃き溜め 柊八尋 @HRG8hiro
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