飛ぶ。

 時間はあっという間に過ぎるもので今日が夏休み最後の練習日。そして、記録をとる日。



「ふぅ......。」



「緊張してる?」



「ちょっとだけ?」



「なんで疑問系なの.....。」

 そう言いながら可笑しそうに先輩は笑う。



「でも私、頑張ります。先輩のお話聞いて、ちょっとわかった気がするんです。」



「そう?こんなので良ければいつでも話すよ。」

 先輩と話すとまた、心が軽くなった気がする。先輩は本当に凄い人だなと、今回のことだけでどれくらい思っただろう。


 ✱✱✱


『それじゃあはじめます。』

 いよいよ、記録をとる時間になった。メンバーみんなが順番に記録をとっていって、次はいよいよ私の番。

『それじゃあ日向、行けるか?』と先生の声がかかる。



「よし....。」

 気持ちを落ち着かせて 、スタート位置に立つ。しっかり助走をつけて、タイミングを合わせてジャンプする。ふわっと、身体が宙に浮く感覚がする。

 久しぶりに『嬉しい』と思った。今までも、嬉しい気持ちになることはあったけれど、最近は記録のことを気にしすぎてあまり楽しめていなかったのかもしれない。

 楽しめたことが良かったのか、記録も少しだけ伸びていて、部活が終わった後に先輩に報告しよう。と思った。


 地面に着地した後見上げた空は眩しいくらいに青かった。

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ホップ・ステップ・ジャンプ! 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072

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