かるく
それからは、自分でも驚くほど練習が楽しくなった。記録はなかなか伸びてはくれないけれど、おもりが外れたみたいに身体も軽くなった。
『試合は楽しんだもん勝ち』
先輩の言葉はいつでも私を助けてくれる。まだ何を返せるのかは分からないけれど、今は大会を楽しむことが私ができる精一杯のお礼なのかもしれない。
「やっほー!」
「先輩!おはようございます!」
「おっ、なんか楽しそう!」
私の顔を見てすぐ、笑ってそう言った先輩。また先輩に助けられたな。と思っていると、先輩は不思議そうな顔をした。
「別に、何かある訳じゃないんです。また先輩に助けられたなって思っただけで......。」
私がそう言うと先輩は『私は何もしてないよ。ただ、おもいで話をしただけ。』なんて笑いながら言う。
「でも本当に、ありがとうございました。」
「いいえ、いつも私のこと頼ってくれてありがとね!」
話をしていて、思う。先輩から見て、私はどんな風に見えるんだろうか。私が先輩に憧れていることを、先輩は知っているんだろうか。
でも今はそんなことを考えるより、試合のことに集中しなければ。試合で思いっきり飛んで、楽しむことに集中しなくては。
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