天羽 ユイナは、ごく普通の中学生。14歳の誕生日を迎えるまでは、そう思っていました。
その日ユイナが知らされたのは、長期出張に行っていたはずのパパが実は天使で、人間のママと恋をした結果生まれたのがユイナであるという衝撃の事実。つまり、ユイナは天使の血を引いていたのです。
その証拠に、背中に羽まで生えて、すっかり天使の仲間入り。
そんな、天使となったユイナに与えられた使命は、ユイナの守護天使でもあるアイビーと共に、誰かの恋を叶えること。と言っても、人の恋心というのは複雑なもの。ユイナはもちろん奮闘しますが、なかなかうまくいきません。
さらにはユイナを狙う黒い羽の天使まで現れて、更なるピンチに。
新米天使となったユイナは、無事に使命を果たせるのでしょうか?
14歳の誕生日を迎えた女の子、天羽ユイナは驚くべき事実を告げられる。
なんとユイナは、天使と人間のハーフ。今まで自分のことを人間だと思い込んでいましたけど、誕生日を迎えた今日、天使として覚醒したのです。
って、いきなりそんなこと言われても、すぐには受け入れられないー!
突然天使だなんて言われても混乱するし、分からないことも多いですよね。
そんなユイナをサポートするのが、天界から使わされた守護天使の男の子、アイビー。
少々毒舌な所もあってケンカもするけど、優しくてイケメンのアイビーと一緒に、天使であることを隠しながら学校に通うユイナ。
だけど学校って、楽しい事ばかりではありませんよね。
友達のミチルちゃんの様子が、何だか変だったり。イケメンのアイビーと仲が良いことを妬んだ女子が、意地悪をしてきたり。好きな人がいて、恋の悩みがあったり。
天使と言っても、ユイナは14歳の女の子。意地悪されたら悲しくなりますし、好きな男の子にドキドキしたりもします。
ユイナは明るくて真っ直ぐで友達想いで良い子なのに、彼女の周りでは事件やトラブルが起き、心を痛めることもしばしば。
だけどユイナ、元気を出して。辛く苦しい時でも、支えてくれる人が近くにいるから。
健気な天使の少女のことを、どうか応援してあげてください。
ユイナちゃんは14歳の誕生日に天使になりました。
幽閉されたお父さんを助けるために天界から与えられた使命は誰かの恋を叶えること。守護天使のアイビーに天使のいろはを学びながら、無事使命を果たすことを目標に頑張っていきます。
春川さんの作品っていい意味でほんとうに子供が子供に見えると言いますか、細かな感情の起伏だとか友達同士のやり取り、どうしてこんなに上手いのだろうといつも感激するのですけれど。本作も本当にその掘り下げだとか、描き方がとても上手くてキャラクターが生き生きと輝いていました。
私が特に感激したのはミチルちゃんというキャラクターなのですけど、彼女の心の動きなどもう本当に素晴らしくて。ユイナちゃんに向けられる友人としての目線、大好きなだけの友人ではない複雑な感情がありありと描かれたキャラクターではないかと思います。
児童文学の魅力がいっぱい詰まった作品です。
おススメいたします(*´ω`*)