これまでの俳句

洞田太郎

令和三年一月

たこ焼きのくるくる回る年始め

  下五を「初詣」などの具体的な季語に変えると句全体がはっきりしそう。


新年の酒瓶賑やかなる机

  言いたいことは言えているからいいかな…。「賑やかなる」という言い回しを落語で聞いて頭に残っていたから使えてよかった。


父母の猿回し見たという話

  思ったより取られなかった。


新年や母の眼鏡に映る空

  沢山取ってくれた。眼鏡から前向きさを受け取ってくれた人が多かったみたい。投句締め切りに追われて出した句だったけど案外よかった。


去年今年貫く父の無精髭

  高浜虚子「去年今年貫く棒の如きもの」のオマージュ。うちの父さんは長い休みの時は髭を剃らない。見慣れすぎて普段は思わないけど、髭が伸びている姿を見ることで仕事のために髭を剃っていることを思い出す。


竹林を唸る波とす冬の風

  中七を取ってくれた方がいた。冬の風はもう少しなんとかなりそう。


空風や鳶流されて向きを変へ

  あまり取られなかったけど好きな句。何気ないけど鳶が羽を畳んで向きを変える様が短い詩だからこその速度で表現できてるかなという気がする。あ、羽を畳む動作を詠めばよかった。


初夢のなくて目覚める空青し

  兼題が初夢だったので、初夢を見たことのない私は困った。毎年の気持ちを素直に読んだら同じような気持ちでいた方が何人も取ってくれた。素直に詠むのは吉。


一月やアロエの産毛きらめいて

  日に照らされたアロエの白い毛が光っていて、白い毛を産毛に言い換え、光っているではなく輝いている…いや煌めいて…アロエだから漢字じゃなくてひらがなだな…という感じでできた句。長く俳句をされてる方にも面白いと言ってもらえて嬉しかった。

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これまでの俳句 洞田太郎 @tomomasa77

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