あとがきのあとがき
6年位この作品を書いているってしばらく言っていた気がします。どこかで数えるのをやめましたが。
さて、これにてようやく完結ということになります。
まずは今作『幸福のシナスタジア(通称・シナスタ)』を最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。もしあとがきから先に読まれる方がおられても、興味を持って目を通して下さっただけでも本当にありがたく思います。
今作を本格的に書き出したのは2020年の1月らしく、それから1年掛けて殴り書き版を私的に完成させ、1年掛けてカクヨムにて投稿いたしました。
こちらの前進となる同人ノベルゲームがありまして、プロットは大体『佐伯京のあとがき』で語られた佐伯京子と京のストーリーにあたるのですが、そこを背景としてその後を描いた作品になります。それが何年前だろう、もう数えるのをやめてしまったのですが……
なぜこんなに年月が掛かったのかというのは書き手である私の心の弱さに起因するというのと、このストーリーをパブリックに語るための強靭な語り口を生み出すのに長い時間が掛かったというのがあります。
何しろ自己執着的な話で、芸術や数学などのモチーフは取り入れたのですが、やりたいことというのは『戦わない異能力モノ』で、『ひたすら悩み抜く高校時代の主人公たち』でした。ここにおいて書く対象というのは自分のなかにあるので正確に取材することに本質的な意味はなく、作品が大衆性を欠いているというのがどうにもしんどかった。そういう場合教養や取材物をどう書きたいことに関連させ落とし込むかという話になると思うのですが、なかなかそういう方向にいかなかったです。だから年月を経て四色問題をいい感じに落とし込んだり、いい感じになったりならなかったりしたところも沢山あるのですが、寝かせなければとてもじゃなく書けなかった部分が沢山あり、その結果の産物でした。あのとき無理やり書いていたらどうだったのだろうかと何度も空想するのですが、いやー無理だなと。いまじゃないと書けなかっただろうな結局、とは思います。
この物語が膨らんでいく過程と共に私も大学を卒業して成長していったので、作品の構成の進展と私の現実の気付きがリンクしていくダイナミズムはやはり創作の醍醐味だなと感じます。会社帰りのプラットフォームから満員電車を待っている間に、ふと作品が進むような気付きを得たときは、未だこんなことがあるんだと、学生の頃の何か思いつかないかと冬の散歩道を練り歩いていた頃が懐かしく感慨深くなりました。
そういうのを感じる度に、もう本当に筆なんか折れているも同然なんですが、最後まで書ききらないとなと思ったわけです。本当にもうそれだけでした。
最後に謝辞を。
今作を熱心に応援して下さったきー太くん。そして同人サークル『鳳仙花メザイア』とその前進『鳳仙花サテライト』の皆。特にこーあん藤くん。ソッシィくん。ようやく終わりました。ありがとうございました。
小説を書く時はこれくらいの負荷を基準にしているのですが、次作移行はもっとスピーディーに、コンパクトに執筆していかねばと思います。
それでは
幸福のシナスタジア うずしお丸 @uzusio1030
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