第12話 獣人形態で投げろ!
練習試合当日まで、白組が学校のグラウンド、紅組は市営球場を借りて練習することになった。
「監督ぅ~、5人連れて来たよぉ~」
「何か変な薬、飲ませてないだろうな?」
「そんなヤボなことしないしぃ~。ちょっと血ぃ吸っただけですよぉ~」
「吸血鬼に血を吸われたら吸血鬼になると言うが、彼らも同じか?」
「まっさか~。そこまで効果ないですよぉ。1週間ぐらい、
「1週間、
監督はその能力を敵チームの選手に使えば、八百長試合が簡単に出来るので、彼女を末恐ろしく感じた。
「人数はそろったけど、問題は
「1週間で良うなるワケない」
鉄平はマウンド上で体育座りして、生気のない目をしている。
「あのぉ、四つんばいじゃなくって、2本足で投げたら、コントロールが良くなるんじゃ?」
「なるほど! ほな、獣人形態で投げられるよう、特訓すっぞ!」
「めんどくさぁ」
その後、オオカミ化した鉄平が2本足で立てるよう、ド根性の特訓が行われた。だが、一向に上手くいかない。
「もう、アカンて兄貴」
鉄平はマラソンを終えた選手のように、大の字で寝そべる。
「あきらめんな! こんなんやったら、甲子園行かれへんぞ!」
「別に命取られるワケやないし」
「じゃあ、血ぃ吸っちゃう~」
「ウッ、ウウウ、ウォーン!」
彼は兄と同じ獣人型のオオカミになって、立った!
(続く)
エースは狼男、キャッチャーは吸血鬼、4番はフランケンシュタイン、怪物だらけの野球部奮闘記 鷹角彰来(たかずみ・しょうき) @shtakasugi
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