あとがき


やっと「亜麻色の髪の乙女」を一区切り付ける事が出来ました。


人類史の中で実際に起きた出来事に、自分が作ったキャラクターを絡ませてみたいと思ったのが最初の発想でした。

それから主にウィキペディアを利用させて頂いて資料を集めましたが、これがなかなか大変な作業となりました。

「トロイアの女神」は神話が題材ですから比較的には楽でしたが、マンハッタン計画を題材にした「原子の炎」は大変でした。

原爆の構造や基礎理論。ウラン濃縮の具体的な方法。

これらを正確に説明すると単なる物理学や核分裂の解説書になってしまいます。

それでは小説とは言えませんし、こんなもの誰が読むんだ ? と言う事になってしまいます。

ですから、その辺りは思い切り簡略と言うか、すっ飛ばす事にしました。

マンハッタン計画にはオッペンハイマー以外にも多くの人達が関わっていますが、それも割愛しました。

これは当時、読んで貰った知人からはかなり批判されました。


そして「クメール・ルージュ」となります。

私は共産主義と言うものを真っ向から書いてみたいと思い、資料を集めました。

これがまた大変な作業になりました。

実際に起きた出来事ですから、いい加減な事は書けません。

しかし、事実をそのまま書いたら小説とは言えません。

そして何より、ポル・ポト派の実態を正確に記述したものはあまり多くは無いのです。

私はこれを「サロットとターニャのラブストーリー」にする事にしました。

その方が共産主義の実態をより生々しく書ける、と思ったのです。

これが成功したのかどうかは私には判りません。

知人からは酷評されました。


サロットがポル・ポトになってからの内面描写が全く無い。

ポル・ポト政権下のカンボジアをもっと詳しく書くべきだ。


どちらも正論です。

ただ、私はこれをラブストーリーとして書いたのですからサロットがポル・ポトになってからは判明している事実を書くだけに留めました。


「あとがき」と称しながら、言い訳だけを書いているようで申し訳ありません。



「クメール・ルージュ」では体制派の方を書きましたが、今度は体制派によって人生を狂わされた人を書いてみたいと思いました。

それで、ルーマニアのナディア・コマネチさんを題材にしようと資料を集めました。

しかし、コマネチさんはまだご存命ですから彼女を題材には出来ない事を知りました。

それから、このシリーズを書く意欲が無くなりましたし、リアルが多忙になって来ましたので5年前に筆を置きました。



それから、また書いてみたいと言う意欲が出て参りましたので、こちらに投稿をさせて頂いております。

私の拙い文章を読んで下さっている方々には感謝の言葉しかありません。

このシリーズはいったん完結とさせて頂きますが、意欲が湧いて来ましたらまた書くかも知れません。



読んで下さった方々。

本当にありがとうございました!




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亜麻色の髪の乙女 北浦十五 @kitaura

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