「休日スローライフ【後】」

ゲーセンでお互いに景品を取り、プレゼント交換をして夕飯を考えながらショッピングモール内のスーパーで買い物をしている。


「夕飯は何がいい?」

「……………」


琴美は先ほど取った三毛猫のストラップとスマホを大事そうに握ってニヤニヤしている。「聞いてる?」と覗き込むと、顔を赤らめ「すみません…」と呟きながらそっと寄ってきて耳元で「ありがとうございます…」とボソッと言って少し距離をとった。

その瞬間明らかに自分の顔が赤くなっていくのを感じ、恥ずかしくなり顔をそむけた。


はぁ顔が熱い、いきなりずるいってぇ。これだから天然ビッチは!


今日は豪華な料理を作ること決めたのだが、結局何が食いたいのか聞いてなかったので、もう一度聞くと「美香さん料理作れるんですか?」とからかいながら「ビーフカレー」と言われた。


「僕だって料理できないわけじゃないんだからなぁ!」

「でも美香さんいつもコンビニ弁当じゃないですかぁ」

「最近のコンビニ弁当はクオリティ高いからついつい手に取ってしまうよなぁ。あれはコンビニが日々努力している証拠なんだ!僕たちが買って評価しなきゃ!」

「そんな暴論ではもう納得しませんよ」

「最近、琴美から彼女離れを感じる…」


「何言ってるんですか」とあきれた目で見ながら「離れたいと思ったことは一度もないですけど?」と恥ずかしげもなくますっぐ言ってくるのでこっちが恥ずかしくなる。なんか今日は琴美に対しての耐性が無くなりかけてる気がする。


そんなこんなで買い物を終え、帰路につく。


僕が作ったビーフカレーに「うわぁ!おいしそ!」とまるで幼女のようによろこぶ姿を眺めながら僕は琴美の前に座る。


「いただきます。」

「いただきます!」 


僕はビーフカレーに手を付けず、琴美は食べる姿を眺めていた。彼女は口いっぱいにビーフカレーを蓄えハムスターみたいになっていた。

「美香さんは食べないんですか?」

「あ、ごめんごめん。見とれてしまって」

そういうと琴美はパンパンに詰まって膨れた頬を赤らめて固まってしまった。それを横目にビーフカレーに手を伸ばすと、照れ隠しに僕の太ももをバシバシと叩いてきて少しかゆいと思いながら、一口ビーフカレーを口に運び、彼女の頭を撫でた。

その反動からか彼女はものすごい勢いで、ビーフカレーにがっつき盛大にむせた。

「あぁあぁごめんね!そんなつもりじゃなかったんだけど!」

「ごほぉ、ごほぉ、だ、大丈夫です…」

「あぁー服にも飛んじゃってるよ。…しょうがない」

ボソッとこぼしながら僕は彼女に裾にそっと手を入れ、勢い良く服を脱がした。

「ちょ、ちょっと美香さん!?」


僕は完全にスイッチが入ってしまった。

「…さっきから可愛くて。琴美が悪いんだよ?僕を誘うから…」

僕は琴美を押し倒し、目をそっと見つめる。手は服を脱がし、あらわになった双耳峰そうじほうを覆い隠す布の裾を探るように手を伸ばす。

「さ、誘ってないです!!ちょっと!」

うつろな目をして「…だめなの?」というと「嫌じゃない…ですけど…」と言ってくれた。ちょろい。

「美香さん、私もスイッチ入っちゃったのでベット行きましょ?ここだと背中が痛いです…」

すっと僕の首に腕を回し、耳元でささやいた。

僕はしぶしぶ立ち上がり、琴美に手を差し伸べる、そのまま手を繋ぎベットまで歩いていく。途中キスをしたり、必要以上に密着し、お互いの体温が同じになるほどくっついていた。


寝室に入り、琴美をベットに押し倒し、馬乗りになる。

「美香さん…優しくお願いします。」

「わかった」と言いながら、僕は彼女の上着を脱がし、僕よりも大きいんじゃないかと思うほどに立派な双璧そうへきを眺めていると、彼女の小さな手が頬を包み、顔を合わせるように目線を合わせた。

「美香さん。見過ぎです…」

「いいじゃん減るもんじゃないし。あと、琴美のおっぱい僕好きだよ?」

そういうと琴美は「おっ…そうですか…」と頬を赤らめていた。そんな琴美を見つめていると、あっという間に時間が過ぎていく気がして不思議だ。魔法はフィクションの中だけだと思ったが、彼女の眼には魔石が詰まっているのではないかと思うほどに、目が離せなくなってしまう。

そんなことを考えてると僕の手を琴美がつかんで「いつまでそうしてるんですか?」と言いながら下のほうへ手を持っていく。


気づけば3時間たってしまったようで、すっかりビーフカレーは冷めきってしまっていた。

「これは明日の朝にするか。」

琴美は、僕の腕に寄り添いながら「そうですね」とほほ笑んだ。

僕はこの笑顔をいつまでも守りたいと思った。








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衣擦れ少女 日生 千裕 @hinasetihiro

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