现代日本三國志

グイジョウ

プロローグ 分断されし日本列島

2022年春頃から始まり、2023年の4月1日頃に終戦した日本列島全土を巻き込んだ内戦は、それまで約75年もの間平和に過ごせていた日本そのものが一時に崩壊した瞬間でもあった。


日本列島で発生した内戦は世界的にも注目され、中国やロシアといった諸外国の内戦介入の可能性も囁かれてはいたものの結局介入はしなかった。


内戦終了後の日本の状況を知った長らくの大親友であるアメリカはすぐさま京都を首都に持つ日本国へと向かい、両国は互いに友好関係を保っていることを再確認し、イギリスやフランスといった欧州諸国や、インドネシアやタイといった東南アジアなども同様に再確認をした。


それに比べ極右政権が握る大日本帝国は日本国や新日本共和国の他、アメリカやロシア、更には中国や韓国までもを敵対視しており、極左政権の新日本共和国はアメリカとの関係を放棄し、中国や韓国との親密な関係をここ最近構築し始めている。


このように第二次大戦が終戦して以降の平和な日本の面影は内戦によって跡形も無くなり、それどころか三国間の緊張状態が内戦後もなお日月が経つにつれて段々と高まりつつあるという危険な状態が続いているのだ。


さらに大日本帝国や新日本共和国はそれぞれイデオロギーが全く異なっている影響で両国間での対立は益々深まっていくばかりである。


そんな状況下でも日本列島に住まう人々は変化に柔軟な対応をし、たとえ国の体制に多少の不満があったとしても我慢を続け、何とか平和な暮らしもする事ができ、三国に分裂した日本であっても少しは穏和に過ごせるのではないかと誰しもがそう思っていた。


少なくともあの戦いが勃発するまではの話なのだが──


この物語は過激な極右政権国家である大日本帝国や、極左政権国家の新日本共和国といった新手の国家によって領土を狭まれてしまい、首都を東京から京都に移せざるを得なくなった日本国をメインに話を進め、他の二ヶ国側の視点の話も時折交えながらも進めていく。


三国間によって繰り広げられる彼らの信念や生き様が今、幕を開ける…。

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