どこか歌詞のようにリズミカルな文章が読んでいて心地よいです。奇抜な設定やどんでん返しも良いものですが、心に沁みる小説世界というものは、美しい文章無くして成立しないのかもしれません。端的に言えば文章めっちゃ好き。一部のボカロ曲をはじめインターネット界隈で小説のような音楽というのは定期的に流行しますが(私調べ)、同じインターネットにこんなにも音楽的な小説があるというのは、なんだか運命めいたものを感じます。 小説のような音楽が好きな方、音楽のような小説を読んでみませんか?
音も空気も匂いすらも感じてしまった。好きだけではダメかい?それじゃダメかい?痺れるような音を聴かせてくれた。そんな作品でそんな物語でした。ありがとう。
彼が失くしたものは信頼、社会性、将来世の中が失ったものは豊かさ、寛容さ、未来清潔で、何処か狂った、だけど他人事じゃなさそうな社会の片隅で鳴り続ける不揃いな音不揃いであること、整わないことこそ愛おしいチューニングもリズムも狂っていていい狂っていてもいい、そのままその場に居てもいい小さな、豊かな物語