もう二度とやり直せない夏の日と最低だった彼女のこと

夏はレジャーや長期休みのイメージが強い分、過ぎ去ると物悲しい気持ちになりますよね。
『 「夏」はまだ未完成』は、十代の少年少女が経験する「夏」の凹凸を感じさせます。

青春時代のわちゃわちゃとした楽しさと、誰かと一緒にいるから刺激される多感な感性。
成長過程のまだ幼い主人公やいつメンの彼らが見せる、ハッキリとした喜怒哀楽と繊細さのグラデーションが描写されていて素敵でした。
なにより、もう二度と戻ってこない十代の夏だからこそ一層切なさと美しさが感じられます。

主人公が最初に発見したパズルから、ちょっと埃っぽい匂いと懐かしい夏の香りが香ってきそうですね。