第4章 トシさんとの再会 2

「渡り鳥」の子どもたち5人はリビングに集まっていた。ゆうと、チズを除く3人はそれぞれ夏休みに入っていた。8月の1日、夏の暑さ真っ盛りの今日。子どもたちは様々な想いを抱えて迎えた。


「おはよう。」

ゆうとはみんなより先にソファに座っていた。

「ゆうと、早いね。おはよう。ちゃんと寝れた?」

ヨシコが起きてきて僕に聞いた。ヨシコもそう聞きながら、少し寝不足のようだ。


「うん。少し寝不足だけど。ヨシコは大丈夫?」

「不安だけど、早くトシさんを助けたい。早くトシさんに会いたいの。それはみんな同じでしょ?」

ヨシコは少しだけ笑顔を浮かべて言った。もともと心配性だから、今日は普段通りとはいかないだろう。僕がしっかりしなくちゃ。


「おはよう。」

「おはよう。」

「おっすー。」

シンとジン、チズも間も無く起きてきた。シンとジンはいつも通りだし、チズはいつもより元気なくらいだ。これから僕たちがすることの重大さを良い意味で理解していないので、当然と言えば当然だけど。


「みんなおはよう。チズはいつもより元気だね。」

「うん!夢にトシさんが出てきたんだ!もうすぐ会えるっていう暗示なのかもって思って、嬉しいの!」

暗示なんて言葉をどこで覚えたのかは、もう今更突っ込まない。

「そうか。早く会えると良いね。」

「チズがそう言うなら、本当に早く会えるかもね!」

ヨシコは嬉しそうだ。チズの底抜けの明るさに救われるのは、僕だけではないみたいだ。

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幸せという名の幸せ K.K @kota1110

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