第45話方舟

 垣内天音の体。

 それは誰よりも健康で頭脳まで明晰な類い稀なるものだった。



 そこに病弱な人から順番にインストール、状態の酷い方は元素分解も交えて医療用マシンメトリィの補助の下行っていった。




 時間がかかってしまったと自分でも思う。

 間に合わなくなるかと思ったことさえあった。

 だが、ここまでできればひとまずは安心だ。

 あとは計画通り、マシンメトリィアースに全員送り地球及び銀河の修復を可能な限り行うつもりだ。






 長かった。

 あそこでアリエス様がああ言ってくれなければタケルはともかくみよちゃんはついて来なかっただろうし、全人類を味方につけるのも難しかっただろう。




 私とアリエス様のリットミールの共鳴現象の成せる技だったと思う。

 まずは地球と月を中心とした修復に回る。

 話はそれからだ。





 長い月日が流れたが地球は想定以上に壊れていた。


 壊れているのも老化が早いのも覚悟はしていた。


 つもりだった。

 いつだって老化は想定を越えてくる。

 それは私たち生き物もそう。



 たとえマシンメトリィの体にインストールされていたって入れ物は壊れる。


_何をしたって所詮、、、



 私は人間止まりなのか。

 タケルに会いたいなぁ。


 わかってる。

 タケルは大事な仕事を頼んである。

 そのためにマシンメトリィアースに置いてきた。



 私がここで壊れるワケにはいかない。



 

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双翼のマシンメトリィ アキヅキ @aki-2ki

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