第4話 別れの真実

車なんてもうないのに、その場から動くことができない。

ずっと車が過ぎ去った場所を見つめて、あなたの残像を見つめて、見つめ続けたらあなたはここに戻ってくれるだろうか。

ごめん、冗談だよなんて言って。

いや、あなたはそんな冗談は言わない人だった。

いつも不機嫌で、俺を連れ回して、それで、それで、、、。

記憶の中のあなたも次第に朧げになっていく。

雨が全て洗い流していく。

せっかくあなたが乾燥してくれたのに。

そこで、胸ポケットに何か入ってることに気づいた。

四つ折りにされたノートの切れ端。

あなたもノートなんて使うのかと思った。

そういえば、あなたも大学生だった、そりゃ、使うかなんて、こんな状況なのにあなたに会いたくなる。


「    」


その言葉を伝えて、あなたは俺に何を求めていたのか。

今でもわからないままだ。

遊びなら遊びのまま。

本気だったら本気のまま。

どちらか白黒つけてくれたらよかったのに。


俺は今でもスマホが手放せない。

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『ってあなた』 コトリノトリ @gunjyo

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