第2話

「うう……恥ずかしいです」


 お互いベッド上に座り、大揮は自分の美月姫が来るのを今や今やと待っている。

 一方の美月姫は恥ずかしそうに頬を真っ赤に染めていて、了承はしたものの、未だ勇気が出ないようだ。

 恥ずかしがっている美月姫はとても可愛いが、大揮としては早くイチャイチャしたい。

 本能のままに美月姫の身体を味わってみたいのだ。


「じゃあ俺からイチャつく」

「え? きゃ……」


 美月姫の背中に腕を回してこちらに引き寄せる。

 少し勢いがついていたので身体全体で受け止め、離れていかないようにしっかりと抱きつく。

 恥ずかしがっているからか美月姫の身体はとても熱く、こちらまで体温が上がってしまいそうだ。

 とても柔らかい感触が襲い、これだけでも幸せな気持ちになる。

 背中越しで触れ合うのとは全然違って、正面から抱き締めるのは相当本能が刺激されてしまう。

 だけどまだまだ美月姫の感触を味わいたいため、早く対面座位でイチャイチャしたい。


「美月姫は手と足を俺の背中に回して」

「はい」


 頷いた美月姫はゆっくりと手と足を大揮の背中に回そうとするが、足を開くのでワンピースの中が見えてしまうだけ。

 だけど家では無防備なのと恥ずかしいからか、今の美月姫は見られていることに気づいていないだろう。

 次から見えていたら言うと言ったものの、本能が言葉を詰まらせる。

 ピンクの、淡い色の布と白くて綺麗な太ももに、大揮の視線は釘付けだった。


「あう……」


 ようやく手と足を背中に回した美月姫の頬は、今までの比じゃないくらいに赤い。


「思っていたよりいいな」


 密着度の高い対面座位は、美月姫の全てを堪能出来る。

 もっともっと感じようと抱き締めている手に力を入れると、少し痛くなったのか美月の口から少し苦しそうな声が漏れた。


「悪い」


 沢山触れ合いたいが痛くするつもりはないため、大揮は抱き締める力を緩める。

 すると「あ……」と少し残念そうな声が漏れたので、もしかしたら美月姫はM体質なのかもしれない。

 強く抱き締める代わりに優しく頭を撫でて上げると、恥ずかしながらも美月姫は嬉しそうに目を細めた。

 どうやら撫でられるのが好きらしく、嬉しそうな表情を見たら色んなとこを撫でてみたくなる。

 今はまだ昼過ぎで美月姫の両親が一階のリビングにいるため、これ以上は自重した方がいいかもしれない。

 彼女の両親はいつになったら美月姫と付き合ってくれるの? と言ってくるので、甘い声が部屋から漏れても問題はないだろうが。


「いつもより顔が近いな」

「はい」


 美月姫が大揮の太ももの上に乗っているからか、身長差がなくなっている。

 美しい瞳はもちろんのこと、潤いのある桜色の唇に自然と目が行ってしまう。

 とても魅力的な唇に、大揮はゆっくりと顔を近づけていく。

 何をされるのか察したであろう美月姫は、ゆっくりと瞼を閉じる。


「んん……」


 軽く触れ合うだけのキス……自分より小さい唇なのにとても柔らかく、しかも甘い吐息が直に当たったから、もう一度したくなる。

 それに美月姫もキスされるのを分かっていて抵抗してこなかったのだし、もう一度しても嫌がられないだろう。


「んん……んちゅ……」


 今度は少し激しくすると、可愛い可愛い甘い声が美月姫の口から漏れた。

 わざとなのか自然と出てしまうのかは分からないが、少しでもキスで気持ち良くなってくれたら嬉しい、と思う。


「私のファーストキス、大くんに捧げちゃいました」


 唇から離れると、美月姫は「えへへ」と笑みを溢す。

 恐らくは思春期になった辺り……中学生くらいの時から美月姫は大揮にファーストキスを捧げたいと思っていただろう。

 流石に対面座位の体勢でするとは思っていなかっただろうが。


「ひゃん……」


 美月姫の体重を太もものみで支えているから少ししんどくなって位置をずらそうとしたら、何故か彼女は甘い声を出す。

 もしかしたら少し敏感な部分が刺激されたのかもしれない。

 女性に重いと言うのは失礼なため、言わないでおく。

 実際に美月姫は胸のボリュームがあるだけで細いので、女性の平均体重よりは軽いだろう。


「敏感なんだな」

「大くん相手にだけ、です。他の人に触られたことないから分かり……ひゃん」


 嬉しいことを言われたので、もう一度足を動かした。

 可愛い声をもっと聞いてみたいと思ってしまい、大揮は美月姫の首筋へと唇を当てる。


「大く……んん……」


 首に唇が当てられたのと、吐息のせいでくすぐったいのか、再び美月姫は甘い声を出す。

 このまま吸い付けばキスマークが出来るし甘い声も聞けて一石二鳥だ。


「んん……ひゃん」


 思い切り首に吸い付くと、案の定甘い声が漏れた。

 顔が見えないから詳しくは分からないが、今の美月姫は恥ずかしがって顔を真っ赤にしているだろう。

 抵抗してこないため、このままキスマークをつけてもいいと判断して、さらに吸い付く力を入れていく。


「ちゃんと出来た」


 首から唇を離して見てみると、白い肌に小さな赤い跡が出来た。


「これで美月姫は俺のもの」


 コツン、と軽くおでこをくっつけて言う。


「はい。私は大くんのものです」


 再びキスをし、大揮は思う存分美月姫を味わった。

 これからは彼氏として美月姫を幸せにすると誓いながら。

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幼馴染みとのイチャつき方~対面座位の体勢でイチャつけば自然と好きなように出来ます~ しゆの @shiyuno

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