狼の性質を持つ獣人、サシ族と人間の少女の婚姻までのお話です。
主人公と獣人の「兄さん」は種族が異なる為に言葉を交わすことができません。
けれども、兄さんの表情や動作の描写が丁寧に書かれており、彼が主人公のことをとても大切にしていることが伝わってきます。
世界観が作り込まれているのも見事!
獣人の生活や文化を全く知らない主人公の視点で進んでいるにも関わらず、サシ族の文化が違和感なくスルスルと頭に入ってくる所に作者の手腕を感じます。
ご都合設定は一切抜きにした、これぞまさしくリアルな異種婚譚!
一度は読んでおきたい素敵な作品です。