例えるなら「 シュレーディンガーの猫」かな

まず初めに…
ちょっと辛めの採点にしました。

理由としては、若干の” 変換ミス ”があった点。(お察しを)
あとは章のタイトルで、深読みする読み手(自分がそうですが)には
その先が読めてしまう「かもしれない」と思った点。

では、主観的な感想を…
(多少のネタばれ含みます。ご注意を)








ストーリー展開としては、

まずは人物紹介と世界観、人間関係や目的を読み手に与える前半。
多重並行世界(シュレーディンガーの猫的な)をふんだんと盛り込んだ後半。
といった感じですかね?

ファンタジーでありながら、人間臭さや
逆にソレを全く知らない人間(?)を、心理描写も含め丁寧に書き込んであるなぁ…と感じました。

個人的に惜しむらくは、ファンタジー世界で重要要素の一端である
戦闘時の描写(躍動感等…)が、少し弱い感じがしました。
逆に言えば、主要人物複数人の「精神的・心理的な描写」は、見事でした。

人は誰しもが弱い。
が、人は誰しも、強くなれる。ならなきゃならない時には。
一人でも、仲間がいても、それは変わらない。
群れることを良しとする「集団」
自由を求め、自らの足を止めない「個人」
その誰もが、強くて、弱い。
迷い、泣き、喜び、誓い、裏切り、騙し、そして死ぬ。

そんな描写が随所に、丁寧に書いてある作品だと感じました。

さほど長編に感じないボリュームも、お勧めできる点ですね。
次回作にも期待したいと思います^^



【個人的採点】(あくまで個人的です。作者様には失礼して…)

ストーリー:07/10
読みやすさ:07/10
人物描写 :08/10
感情描写 :09/10
総合   :08/10