パーティー・ピンク・ポッパー🎉

作者 いましめ

110

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★★★ Excellent!!!

スミレが想いを寄せる女の子・環。彼女に恋い焦がれるあまり、同級生に露骨で陰湿な嫌がらせを企んだり、暴走していきます。

中でも、かつて環が遭遇した“忌まわしい記憶”を自らも追体験しようとする姿は、衝撃的でした。

相手を想うあまり、過激な行動に出てしまう。これって、恋愛における“罪”だと思うんです。

そんな“罪”をリアルに描いた作品です。



★★★ Excellent!!!

女子高生スミレが一途に恋い焦がれる女の子、環ちゃんは、少女誘拐事件の被害者。
環ちゃんを巡って別の同級生に陰湿なイジメを仕掛けようとしたり、誘拐被害の追体験をしようと、レイプされたり、狂おしいほどの恋心を抱いている。

環ちゃんの一番になりたいスミレは、ついに、環ちゃんを監禁して――

女子高生時代から10年間
鳴らされ続ける、パーティー・ピンク・ポッパーの音は、きっと狂喜を伴う幸せの音だ。

海とか毒のモチーフの使い方も抜群に大好きです。

ホントこれ、おすすめです。

★★★ Excellent!!!

 主人公二人といういい方が良いのか、主役とヒロインといういい方が良いのか、兎に角、二人の少女が高校生の時、大人になった時の物語です。

 懐く感情は、尊敬であるとか恋慕であるとか様々な言葉を上げられるのですが、読み終えた今、私にはこれがどうにもしっくりこない言葉ばかりになってしまいます。

 ただ一言で表すならば「情念」という非常に広くて、わかりにくく、想像も容易ではない言葉になってしまいました。

 好きな人を救うために好きな人を傷つける事もあるとか、それで救われる自分もいるとか、言い表そうとしても適当な言葉が見つからないでいました。

 しかしながら、ふと思ったのは物語を通して象徴的に描かれている「海」の色でした。

 まず一番にイメージしたのは青ですが、青ほど見分けがつきにくい色もないという事。マドンナブルー、群青色、マリンブルー、ダックブルー、エジプシャンブルー…と、並べてみれば違いが少し分かる程度で、いきなり見せられて見分けがつくものではない。

 それと同じような差を持った感情が、二人の少女に渦巻いて、それがときおり我が儘や乱暴とも思える二人の行動、言葉に表れているような気がします。

 そして本来、海の色は青だけでなく、夕日に照らされ橙色に染まる事もあれば、翡翠色の海もあり、表面もうねる時もあれば、静まる時もあり、場合に寄れば凍る事もある…そんな広さ、深さ、危うさを詰め込まれた物語だと感じます。

 読む人によっては、酷い感情を持ってしまう事もあるかも知れません。

 でも美しい物語なのです。

★★★ Excellent!!!

ドボン!

って白い泡いっぱい包まれて海に堕ちる。

クラゲのトゲに胸ぶっ刺されてそれに気付かず

堕ちた二人は何も見えずに、それは傷になった。


ある日思い出したように

遠くへ行こうとしたらトゲが引っ張るんだ。

そっちじゃないんだと。

もがいて暴れたら周り巻き込んで傷だらけになったけど、

それは抜けない毒だから。

どうしようもないんだってふと見回したら

そこは青い海の中、珊瑚礁────

★★★ Excellent!!!

フォローいただいたご縁で、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。

内気な主人公の女の子が、唯一の親友である友達に想いを寄せるところから物語は始まります。

その友達との輪の中に、一人の女の子がやってきます。何事にも敏感な年頃では、ほんの些細なことでも見逃せません。一緒にいたいだけ、そんな想いが募り、彼女はある決心をします。

そんな思春期の女の子の心情を丁寧に描いているこの作品。気がつくと彼女の心にいつの間にか入り込んでしまうという魅力が感じられます。

ちょっぴりダークなラブストーリー。
他の皆さまも是非読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

このチクチクするような愛の物語、すごく好きです。

きっと歪んでいるのではなく、どこまでもどこまでも定規で引いた線みたいにまっすぐで純粋なのではないかと思いました。

誰かの特別になるために、誰かの特別でい続けるためなら、その決断の善悪なんか関係ないのでしょう。