異世界ダイブ

@HY8

第1話【 異世界救済組織 ブレイブ 】

 「ここは・・何処なのだろう。」


 俺は目の前の光景を眺めながらそう呟いた。

 

 俺の名前は宮本武志みやもとたけし

 高校を卒業して、とある会社に就職する事となった新社会人だ。

 ただ、どうも俺は初出勤初日から会社の中で迷子になってしまっているらいしい。

 

 先ほどまでメールで指定された都会のビルに入り、記載されている部屋に入ると俺はいつの間にか何処かも分からない建物の廊下に立っていた。


 「いやいやいや、待て待て待て。 え? 俺さっき部屋に入っただけだよな? なんで廊下にいるんだ?」


 現状を理解できずただただ右往左往とする。

 廊下には窓らしきものは1つもなく、あるのは一定の間にある扉だけ。

 ここが何処なのか示されているような物は何処にもなかった。


 「あーッ!! ちょっと退いて退いてぇぇえええ!!」

 「え? のわぁぁああああ??!」


 そんな中、背後から女の子の声が聞こえ振り向いたど同時に、俺の胴体に何かがタックルしてきた。

 俺はそのまま押し倒される形で床に倒れ頭を強く打った。

 

 「グゥォォオオッ!!」

 「ご、ごめんなさい!! 大丈夫!!」


 あまりの痛さに少し半泣きになって涙目でいると、俺の身体の上に乗っかりながら心配そうに顔を覗き込む少女の顔が見える。


 「本当にごめんなさい! まさかこんな所に人が立っているとは思わなくてブレーキが間に合わなかったわ!!」

 「いえ・・こちらこそ・・。」


 何がこちらこそなのか自分で言っていて意味が分からなかったが、女の子が自分の身体に跨る形で乗っかられている事が、人生において一度も彼女が出来なかった俺には刺激が強すぎた。

 しかもその俺の身体の上に乗っている少女と言うのがまた目も合わせられないくらいの超美人!

 長い銀髪に突き通る蒼い瞳をしており、花のようにいい匂いがする。


 「それにしても貴方、こんな所で何をしていたの? ここの従業員?」

 

 少女は立ち上がりながら俺に手を差し伸べて立たせてくれる。

 

 「あぁ・・そうなんです。 お・・じゃない。 僕は今日から株式会社ブレイブに就職する事になった宮本武志といいます。」

 「株式会社・・・ブレイブ?」


 お、おや? 

 何故か少女は頭を傾げて聞いたこともないような仕草を取り俺は少し焦りを見せる。


 「えっと、ここって株式会社ブレイブの職場ではないんですか? 詳細メールでは確かにビルの中にある部屋に入ったんですけど、知らない内に廊下に出てたみたいで・・ってあれ?」


 メールを確認しようと携帯を起動させると、何故か電波が繋がっていない状態になっていた。


 「う~ん・・確かにここはブレイブと言われた場所だけど、その株式会社っていうのは違うわね。」

 「え? ち、違う? じゃあここは一体・・・・。」


 戸惑う俺に対して少女は小さい声で「マッピング」と言うと、何もない空間から映像のような物が映し出された。

 俺は目を丸々にして驚いていると、少女は映像が俺に見えるように画面を切り替え何処かの建物内部の地図のような映像を見せてくれた。

 そして、俺は次の少女の言葉に耳を疑う事になる。


 「ここは異世界救済組織 ブレイブ。 この世界には1つしか存在しない超機密組織連合よ。」

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