エピローグ それから・・・

季節は夏。

残念ながら私達川野辺高校バレーボール部の夏は県大会第2戦で終わってしまった。

毎日遅くまで練習頑張っていただけに試合に負けた後はみんなで泣いてしまった。


でも・・・


「涼真く~ん!!」


テニス部は何と県大会決勝に駒を進めたんだ。

私ももちろん応援に行った。

幸か不幸か時間だけはあったので・・・あぁ~悔し!!


決勝戦の相手は倉北学園。

川野辺高校とは普段から交流のある近隣の男子校だ。

そしてシングルスを戦う涼真君の相手は・・・


「大和!頑張って~」


春姫の彼氏の鶴間大和君。

前に写真を見せてもらったことはあったけど中々のイケメン(まぁ涼真君の方がカッコいいけど)で倉北学園のエースでもありテニスも激ウマだった。

あれで成績も学園トップクラスって言うんだから・・・春姫が惚気る気持ちもわかるわ。

でもさ春姫。川野辺高校の応援席から倉北の選手を応援しちゃ駄目でしょ・・・周りから睨まれてるよ。


ちなみに本来は川野辺のエースの豪徳寺君が鶴間君の相手をする予定だったんだけど今回は怪我で欠場。悔しそうにコートサイドで試合を見てる。

で、急遽涼真君が対戦相手になったんだよね。

試合前は"負けちゃうかもなぁ"とか弱気なことも言ってたけど試合は均衡している。失礼な言い方かもだけど涼真君がこんなにテニス上手いとか知らなかった。


でも・・・いい試合にはなったんだけど試合は鶴間君の勝利で終わった。

その後行われた結城先輩の試合も競ったものの倉北が勝ち全国への切符は倉北学園が手にすることに。

う~残念!!


「はぁ。。。やっぱり負けちゃったか」

「でも、惜しかったじゃない」

「・・・鶴間とは中学の時も何度か試合して勝ったこともあったんだ。でも、何だか差をつけられた気がしたよ。僕も結構上手くなったとは思ったんだけど」

「そっか・・・」


ここのところ毎日遅くまで頑張ってたもんね。

こんなに悔しそうにしている涼真君を見るのは始めてだ。


「でも、私達2年だしまだ次があるじゃない」

「そうだけど・・・日吉は全国決めたからなぁ~」


そう雄二達バスケ部は全国大会進出を決めた。

バスケ部は去年も全国大会に出てるし戦力的に充実しているらしいけど・・・あいつもレギュラーメンバに残るんだって練習頑張ってたもんね。

(戦力が充実してるってことはそれだけ努力しないと出番もなくなるしね)


「まぁ雄二達も頑張ってたしね」

「そうだけど・・・また勝てなかったなって」


まだそれを言うか!

雄二の事を気にしすぎだよ。


「も~ 前も言ったでしょ。雄二と勝ち負けとか気にしなくても私の中では涼真君が一番だって」

「あ、ゴメン。それはわかってる。萌が僕を一番にしてくれているってのは」

「じゃぁなんで?」


そうなんでよ?


「・・・なんでだろ?」

「はぁ?なによそれ」

「あ、別に冗談とかじゃなくて、何となくなんだよ。意地と言うか、あいつには負けたくないっていうか」

「変なの」

「ほんと我ながら変な話だね」


まぁ涼真君が良いならいっか。


あ、因みに雄二は佐和にようやく告白して今は恋人同士の関係にある。

私が"ビシッ"と言ったからかはわからないけど、色々悩んでた時に相談にのったり励ましてくれたりして貰ったらしく、佐和にあらためて惚れなおしたらしい。

ほんと、雄二には勿体ない位にいい子なんだから大切にしてほしい。


そういう佐和も私が涼真君とラブラブなのを見て安心したのか、雄二と上手くやっている。

この間お弁当作ってあげたとか言ってしね。

まぁ雄二に散々自慢されてしまったけどね。

私も負けてられないわ!(その前に料理を勉強しなきゃだけど!)


ちなみに今回の全国大会もバスケ部に彼氏がいる優子や湯川先輩と一緒に応援に行くみたいだ。


私も腐れ縁の幼馴染として応援に行ってあげようか迷ってる。

あ、でもその前に千歳から望月君と涼真君の4人でリバーランド遊びに行こうって誘われてたんだ。

色々と楽しみだ~♡



fin


********************

短めですが、このエピローグにて本作は終了となります。

お読みいただきありがとうございました。

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好きだったんだけど・・・何か? ひろきち @hiro_1974

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