エピローグ 秘めたる思い

 作文のあの子と出会ったのは高校生一年生の時だ。

 先輩が入部届をとりにいってる間、取り残された私たちは沈黙の気まずさに耐えかねて名前を言い合った。


 その時の驚きと高揚感は今でも鮮明に思い出す事ができる。小学生の頃その文章を読んで以来ずっと私の胸の中心にいたあの子……いや彼が目の前にいるのだから当然だ。


 私はいてもたってもいられなくて、気づけば自分の小説を渡していた。いや渡していたなんて図々しい。押し付けていたという方がきっと適切だったと思う。


 けれど彼は嫌な顔一つせず読んでくれて、そして褒めてくれた。あの作文と同じ、まっすぐで暖かな言葉で。

 私はとても嬉しくてそれだけで胸がいっぱいになって、これ以上幸せな事は一生ないと、本気でそう思っていた。


 ……でもそんな事はなくて。

 今の私はあの時以上に幸せだと感じている。 


 あの日から私にとって特別な存在であり続けている、そんな雀野への思いを、このノートに記しておく。


 ここはあたしが一番素直になれる場所。

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青春を諦めたひねくれ陰キャに学校の人気者が理由なく迫って来るわけ…… じんむ @syoumu111

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