第2話

さて、準備をしよう。

だって、王都で新人スタートの人なんてどうせ貴族だけだし。

アイツら、礼儀うるさいから。

ちょっと準備をしておかないと。


「あ、エルせんぱーい、お話終わったんですか?」


「ん。そして、新人教育を任された」


「?いつもせんぱいがしてますよね?」


「今年は冒険者の方も。どうせ格のためにランクを上げたい貴族連中だろうけど」


「あ~、あれめんどくさそうですもんねぇ~。確かにせんぱいに押し付・・・・任せた方が楽そうですもんねぇ~」


「ねぇ、ベル。今何て言おうとしたの?」


「な、なんでもないですよ?」


ジト目。プレッシャー。


「いや、せんぱいなら貴族相手でも容赦がなさそうですし、楽かな~と」


「そういうことにしておく」


さて、準備を始めるとする。とりあえず演習場を予約。あと回復術師を何人か連れていくことにする。

このぐらいでいいか。


「はい。ベル、これ予約しといて」


「あっ、はい。って演習場何に使うんですか?」


「?新人教育のために必要だから」


「え?なんで教育なのに演習場に?」


「めんどくさくなったら、力でねじ伏せようと思って」


「いや、普通にダメな気が・・・でもいいか。分かりました。予約しときます」


「ん。よろしく。そろそろお昼だし、ご飯にいかない?」


「いいですよ~」


それからベルと私はギルドの近くにある食堂に行った。ちなみに何を食べたかというとベルはハンバーグ定食、私はホットサンドだった。

お会計の時ベルが「私が払いますよ」と自分からお金を払おうとしていたが、お金が足りなくて結局私が二人分払った。


おほん。私はできる女なのだ。


ん?朝の賭けはどうなったのか?

明日に持ち越しになった。

それを聞いてベルが

「!?・・・・・結局奢らないといけないんですね・・・・・」

と、しょんぼりしていた。

可愛かったからずっとナデナデした。



そして、次の日。

しっかりとお金を持って(昨日はおろし忘れていたらしい)きたベルは、泣きながらお会計の時にお金を払っていた。


また、可愛かったからナデナデした。

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世界最強(?)なギルド職員とギルドの1日 寂滅馮河 @hajime051115

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