誰もいない夜。誰かいる夜。
白川津 中々
■
コンビニに酒を買いに行く。
街は暗く、寒い。赤提灯の代わりに灯る民家の明かりが眩しく熱い。しかし、それを見ると冬風に晒されたように、心が冷たくなる。年の瀬に飲む酒はいつもと変わらず缶ビール。気が楽だ。
息が白い。かじかむ手を握ると、指に血が流れていく感覚が走る。生きているのだ、生きなければならないのだと、自身に聞かせる。
空は十六夜。薄い金色が照らす暗雲。遠くで聞こえる人の声に俺は少しだけ、孤独を感じた。
誰もいない夜。誰かいる夜。 白川津 中々 @taka1212384
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