https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093088539764313「ハルマの集落へ行くには決められたルートを通らなければならない」
拷問を終えた少年に一応の手当てをした後、俺達はグレオの供述に耳を傾けた。
話によると、決められたルート以外には様々な罠が仕掛けられているとの事で、嵌れば命の保証はないという。パンジスティックやバンブーウィップのようなブービートラップの他、落石、汚水、蛇の投下、毒針設置等の仕掛けが施されているらしく、どう聞いてもこの時代の発想ではなかった。シュバルツが伝えたのは確定的である。
「そのルートは簡単に覚えられるのか?」
「正しい道順を通るには目印がある。それを辿っていけば問題ないだろう」
「なるほど分かった。それでは、その目印について教えてもらおうか」
「あぁ……分かった……」
その後もグレオはこちらの質問に対してツラツラと返答をしていった。
先述したようにとうに精神は屈しており嘘を吐けるような状態ではなく、十中八九嘘は言わないという確信はあった。しかし、やはり不安は拭えなかったし、いざ攻めるとなった際には信用に足る根拠を提示しなければ誰も付いてこない。信憑性の担保が必要だ。