研ぎ澄まされた刃物のように鋭利な文章

 無駄の無い、研ぎ澄まされた刃物のように鋭利な文章が、しっとりとした佐江の丁寧な話し言葉を際立たせて、これまでの清春の生き様を浮かび上がらせて見事だと感じました。

――鋭く高い金属音のような夜気――など、作者の感性が物語りに溶け込んで、オノマトペを使わせない表現力が小説本来の姿を際立たせていて素晴らしくも面白い物語です。
 甘いことはしないと言いながらやっていることは甘い。喧嘩になって佐江ちゃんの言葉で突っ込まれたら返す言葉が無くなってしまい、恐いかも知れない。

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