無駄の無い、研ぎ澄まされた刃物のように鋭利な文章が、しっとりとした佐江の丁寧な話し言葉を際立たせて、これまでの清春の生き様を浮かび上がらせて見事だと感じました。――鋭く高い金属音のような夜気――など、作者の感性が物語りに溶け込んで、オノマトペを使わせない表現力が小説本来の姿を際立たせていて素晴らしくも面白い物語です。 甘いことはしないと言いながらやっていることは甘い。喧嘩になって佐江ちゃんの言葉で突っ込まれたら返す言葉が無くなってしまい、恐いかも知れない。
美しい文章で彩られた、年末のひとときの、幸せな夫婦の物語。そこに、男と女の見方の違いがあって、物語に深みを増しています。いい夫婦だなあ。この夫婦に子供ができたら、どう変化するのだろう。思わず未来を見る女の私が読みこんでしまながら、ほっこりとしていました。
とあるご夫婦の年末年始の一幕を切り取った短編なのですが。二人の間に流れる空気感がとってもとっても素敵なのです!(≧▽≦)作者様がライフワークのようにずっと書かれている物語(アルファポリスへ移されているそうですので、気になる方はどうぞそちらをご覧くださいませ)の、ある意味「その後」なのですけれども、これだけ読んでも新婚ご夫婦の素敵なやりとりにやられちゃうこと間違いなしです!( *´艸`)