第2話 お忍び失踪旅行。

『王様は疲れました。とりあえず一週間はいませんので探さないでください                     

                          王様より』


大陸の中央は国王陛下の失踪で騒動になっていた。

この国はすべて国王が運営している。宰相と言う役は建国時にはあったが国家転覆の疑いがあり宰相自体が取り潰された。そして軍を司る将軍もだ。


軍の予算編成も人事も補給もすべて国王がする。

内政も同じだ。


こんな何人かに分けてする仕事を国王は熟している。

普通だったらありえないことだ。

だがなぜこんな仕事を代々で来ていたか。


現国王は女のために。

前国王は民を苦しむさまを見るために。


仕事の疲れのはけ口をうまく探せていた。

だが最近は私的に使える金が少なくなっておりその不満が爆発したと。


「どうします?国王陛下の代理を務める者は今おりませんし」


「陛下はそもそも結納をされておらず王妃がいまだに確定されておられない」


とある一室で二人の男が話していた。

一人は王宮に務める準貴族、ヘルマン・トーキン。

そして近衛騎士団長の騎士爵、ハーマン・ロダムが話していた


「ではどうします?捜索隊を出すにしても一週間で帰ってこられますので捜索隊を出しても無意味です」


「そうだ。だからその一週間の政務をどう処理するかが問題だ。

私はやりたくないぞ」


「それなら俺もですよ。あんな量の書類仕事。そして広大な大陸を治めるための予算の再編。組織が4つくらいないとあんなん処理できませんよ」


「とりあえず後回しにしていい仕事以外はお前に任せる。俺は騎士だからな。内政官のお前がやるべきだ」


「いやせめて近衛騎士団のことくらいはやってくださいよ」

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支配する一族 @kokaja

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